楽器にも触れていないのに「俺はミュージシャンになる」 “イカ天”初代グランド王者・浜崎貴司がフライングキッズを結成するまで
1980年代後半からのバンドブームを象徴したTBSのテレビ番組「三宅裕司のいかすバンド天国」(通称イカ天)で、初代グランドキングとなったバンド「FLYING KIDS」(フライングキッズ)。ボーカルの浜崎貴司(61)は、楽器に触れてもいなかった頃から「俺はミュージシャンになる」と豪語していた。
(全2回の第1回)
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CMソング、ドラマのサントラに興味
栃木県宇都宮市に生まれ育ち、漫画が好きだった浜崎少年が音楽に関心を抱いたきっかけは、少々意外なものだった。
「最初に音楽に興味を持ったのがCMソング。CMは15秒や30秒の間にメッセージを込めるので、曲も一番キャッチーなところが流れますよね」
特に気に入っていたのが、「お花を大切に」と歌うフマキラーの園芸用品「カダン」や明治「チョコベビー」のCMソングだった。ほか、日曜朝に放送されていた「ミユキ野球教室」(日本テレビ系)を一社提供していた御幸毛織のCMも印象に残っているという。荒井由実時代のユーミンが歌った不二家「ソフトエクレア」のCMソング「ほっぺたにプレゼント」もお気に入りだった。
「そういうCMソングを何度も聴きたくて、当時、家にやってきたばかりのカセットレコーダーで録音していました。いつCMが流れるか分からないから『なかなか録音できねぇな』と思っていたのですが、そうしているうちに他の音楽にも興味が湧いたというか」
小学3年生の頃からは、ビートルズを聴くようになった。
「兄貴の横で聴いて、うっとりした覚えがあります。ラジオから録音した『Any Time At All』という曲では、ジョン・レノンのシャウトに妙にしびれたというか、カッコいいと思って。小学高学年になると、兄貴が集めたビートルズのレコードも結構あって、それをやたら聴いていました」
同時に興味を持ったのがテレビドラマの主題歌だった。
「松田優作さんと中村雅俊さんがダブル主演した『俺たちの勲章』(日本テレビ系)という刑事ドラマで流れたのは、トランザムのシングル『あゝ青春』で、吉田拓郎さん作曲だったかな(作詞は松本隆)。この曲が収録されたアルバムはジャケットがめちゃくちゃカッコよくて。“あのジャケットが欲しい”と祖母にねだって買ってもらったんですよ」
「俺たちの勲章/太陽にほえろ! オリジナル・サウンド・トラック主題曲集」は、A面が「俺たちの勲章」、B面に「太陽にほえろ!」のサントラが収録されていた。両ドラマに出演していたのが松田優作だ。
「どっちも優作さん縛りで、表も裏も優作ジャケット。よく聴いていましたね。『太陽にほえろ!』は井上堯之バンドで、今思えばファンキー、ファンクソウルみたいなものを聴いていたんですね。当時は純然たるドラマの音楽として聴いていたので、ジャンルなどは全く意識していなかったですけどね」
ビートルズやテレビを通じて、音楽への興味がどんどん増していった。
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