「何にも食べていないのに、吐いてしまい…」 被災者が明かす熱中症の恐怖 「救急車を呼んだけど、電話がつながらない」

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「これは命はないわと思ったね」

 7月28日に発生した熊本地震で、辛うじて一命をとりとめた被災者たちの中には、この世の“生き地獄”と呼んでも差し支えないほどの恐怖を味わった人もいる。

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 家屋倒壊が多発した氷川町野津地区に住む白丸弘幸さん(71)は、こう振り返る。

「前回の熊本地震は縦揺れだったけど、今回は比べものにならないほどの横揺れだった。誇張ではなく、自宅で俺が座っているソファーが動かないまま、床だけが一瞬で左に2メートルくらいスライドしたような感じだった。さらに次の瞬間には、逆方向に床が2メートルくらい戻ってきたの。そんな横揺れが何度も繰り返されていくうちに、柱が傾いてきて天井が俺に迫ってきたんだよ。これは命はないわと思ったね」

 白丸さん自身は自宅リビングにいたが、棚の食器からタンスの中にある衣類、扇風機などさまざまなモノにそこは埋め尽くされた。それらを押しのけて、92歳になる母親を兄と担いで、外へと脱出することに成功。家族は無事だったが、自宅は全壊となってしまったという。

 それだけではない。停電により携帯電話の電波が通じづらくなり、挙げ句に水道も断絶すれば水も満足に飲めなくなる。さらなる恐怖体験は、こうした避難生活を余儀なくされる中で起きたというのである。

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