「中国人30人ほどに捕まって、素手や棒でめった打ちに…」 「闇バイト」逃亡者が語った「トクリュウ」からの脱出“恐怖の瞬間” 入れ墨男に浴びせられた“脅しの言葉”とは

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「トクリュウ」(匿名・流動型犯罪グループ)による犯罪が相次いでいる。その手先となり、犯行の実行役を担うのが「闇バイト」である。所詮、彼らは「使い捨て」の存在。警視庁がその経験者たちから聞き取った証言には、その悲惨な結末が現れていた。【前編】では、闇バイトに誘われ、カンボジアの犯罪拠点に向かった彼らの“仕事”の詳細を記した。【後編】では、彼らの報酬額の“衝撃の安さ”と、脱出の際に味わった恐怖について詳述する。

【前後編の後編】

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脚にスタンガンを当てられ…

 トクリュウの「上位者」は残虐そのものだ。【前編】に登場した「架け子見習い」の30代男性はこう証言している。

「入れ墨が入ったヤクザらしい容貌の中年男性が4、5人いて、『ここは逃げようと思わなければ他の組織よりも安全だ』などと凄まれました。その上位者と思われる中国人も4、5人いて、スマホで音声翻訳し、日本語で威圧してきた。脚にスタンガンを当てられていた架け子もいました」

 やはり【前編】に登場した20代の「架け子」経験者女性もこう証言している。「拠点にはボスと思われる中国人夫婦、詐欺のストーリーを考える『先生』と呼ばれる中国人がいた」。報酬は、「毎月15日に支給される。現金か仮装通貨のどちらかを選択できる。報酬配分は、1線が成功金額の4%、2線が5%、3線が6%だった」という。

 1~3線とは聞きなれない言葉であるが、

「彼らは1線、2線、3線と呼ばれる3つの役割にわかれ、リレー方式でターゲットを追い詰めていく。例えばですが、1線は警官役。電話で『あなたの口座が犯罪に使われている』と嘘の連絡をし、動揺したターゲットを『刑事』に繋ぐ。ビデオ通話に切り替え、刑事役の2線は偽の警察手帳を提示。『無実を証明するために全口座と残高を申告しろ。隠せば凍結する』などと脅し、資産状況を把握します。3線は検事役。ビデオ通話に登場し、『あなたの管理の甘さが原因だ』などと激しく責め立て、パニックに陥った相手に『調査のため』と偽って金を振り込ませる」(警視庁関係者)

「見張り役」をしていた40代男性は、自身の報酬を「毎月300ドル」と証言している。超低賃金労働である。

「女を買いに行く」と伝え…

 組織からの脱出も困難だったという。

 上記の「見張り役」40代男性は、

「拠点にいるのが怖くなって、夜、『女を買いに行く』と伝えて抜け出しました。知り合いのベトナム人にバスを手配してもらい、プノンペンに移動した」

 が、これはまだ生易しいほうで、先の「架け子見習い」30代男性はまさに決死の脱出を試みた。

「部屋の鉄格子の針金部分を外し、3階から別の建物の屋根に飛び降りました。しかし音で気付かれ、中国人30人ほどに確保されてしまい、素手や棒でめった打ちにされて命を失いかけた」

 組織は拘束することがリスクと考えたのか、男性を現地の警察に突き出したという。ともあれ、一命をとりとめ、犯罪グループから抜けられたことは幸運だったと言えよう。

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