「首相として決めたのであれば反対はしない」は“麻生副総裁”の本心か? 高市首相とのパワーバランスを左右する「幹事長人事」と「消費税減税」という関門
「首相は国会のことを何にも分かっていない」
終盤国会で、高市は皇室典範の改正だけでなく、維新肝煎りの衆院議員定数削減法案や「副首都」創設法案を何としても会期内に成立させようとした。委員長職権で審議入りを強行させ、これに対し野党が猛反発して審議を欠席し、国会は一時空転。高市の「数の力」頼みの強引な国会運営は厳しい批判を浴びた。
高市は当時、法案の衆院可決後、少数与党の参院で否決されても、または参院で議決されなかった場合でも、国会を最大限延長して、みなし否決の「60日間ルール」(※)を使えばいいと、一時は本気で思っていたという。衆院で出席議員3分の2以上の多数で再可決すればいいと、高をくくっていたようだ。
(※60日間ルール=衆院で法案を可決し、参院が60日以内に議決しない場合、衆院は法案を否決されたとみなす憲法第59条の規定)
結局、高市は大幅な会期延長は断念した。ある政府関係者は「霞が関は一時、60日間超の延長もあり得ると本当に心配した。首相が『そういうルールがあるなら、ルール通りにやればいいじゃない』と言ったので、延長に本気だという話が一気に広まった。首相は国会のことを何にも分かっていない。もし大幅延長していれば、政権は終わっていたかもしれない」とまで語った。
“麻生支配”を首相はどうするか?
会期が残り少ない7月1日、皇室典範改正を最優先し、定数削減と副首都の両法案の後回しを与野党に求めたのは、森英介衆院議長だったが、高市はインド外遊に出発し、寝耳に水だった。麻生派出身の森は、麻生のいわば「子分」。高市の国内不在中を狙った麻生の仕掛けとも思われた。
維新は激怒したが、結局、与党党首会談で維新は定数削減法案の今国会成立を断念。副首都法は会期延長後、24日の参院本会議で、123対121の2票差で成立した。国民民主は反対に回り、維新と国民民主の対立は決定的となった。自民、維新の連立に国民民主が加わるのは、当面は困難視される。
一方、内閣改造で維新議員が入閣すれば、自民・維新の連立関係はより強化されることになる。維新から誰がどのポストに入閣するかも一つの焦点だ。
内閣支持率の下落が続いたとしても、すぐに政権交代となるわけではない。今の野党は「受け皿」となり得ていない。当面は、与党内の主導権争いでしかない。高市は麻生の「あやつり人形」と化すのかもしれないし、維新との連携を深め、麻生支配から脱したいと思うかもしれない。
一方、自民党が食料品の消費税減税方針を決める前、「高市-麻生」関係を見極める上で極めて重要な場面があった。
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