妻の親友と不倫した46歳夫 「賢すぎて、なかなかつついてこない」妻との結婚は、32歳の誕生日に出されたビーフシチュー

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「一目惚れです」

 居酒屋でも彼女はさりげなく仕切ってくれた。飲み物の注文が終わると、「みんな一品ずつ選んで」とオーダーを言わせる。迷っている人がいると「じゃあ、あなたは焼き鳥ね。どうせシェアするからいいじゃない」と場を進めていく。その後は「みんな、自己紹介しよう」と提案した。

「それが『私が仕切る』という感じではなく、さりげなく誘導していくというか。なんて賢い人なんだろうと思いました。その日は彼女を観察しているのが楽しかった」

 ようやく場がこなれてきたころ、孝次さんは郁美さんの隣に席を確保し、ビールを注ぎながら「おつかれさま。あなたの判断力と行動力はすごい」と絶賛した。彼女は孝次さんを一瞥、「そんな賞賛されるようなことじゃないでしょ」と言った。口調は普通だったが、顔を見ると笑っていたという。

「率直なんですよね。だから誤解されることもありそうだけど、僕は好感をもちました。だから『惚れた。デートしてください』と言ったんです。何も知らないのに惚れたのと聞かれ、『一目惚れです』と。さすがに彼女も声を出して笑っていました。『デートくらい、いつでもするわよ』って。かっこいいですよね」

絶品シチュー、そして…忘れられない誕生日

 そこからつきあいが始まったが、お互いに仕事が忙しく、なかなか日時が合わない。ふたりとも出張も多かったので1ヶ月も間があいたこともあるが、それでもつきあいは続いていた。

「僕の32歳の誕生日、珍しく彼女が『うちに来る? 料理でもしようか』と。その代わりケーキは自分で買ってこいと言われましたが、彼女の部屋に行くのも久しぶりだったし、手料理なんて初めてだったから勇んで行きました」

 料理はしないと聞いていたのだが、実は彼女は料理上手だった。孝次さんの好物であるシチューは絶品で、「親が作る市販のルーを使ったものが最高だと思ってたけど、彼女のビーフシチューはとんでもなくうまかった」と振り返る。2日かけて煮込んだのよと彼女は言った。

「その場で、『妊娠したの。どうしようか』といきなり言われました。どうしようもなにもない、妊娠したのなら産もうよと言いました。彼女はわかった、と。『結婚してくれるよね』と思わず問いかけてしまいました。郁美だったら、子どもは産むけど結婚しないと言いそうだったから」

 郁美さんは再び「わかった」と言った。彼女からネクタイをプレゼントされ、その日は彼にとって忘れられない誕生日となった。

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