優勝「安青錦」が他力士よりも“上”の部分とは…14日目休場「豊昇龍」は“横綱”という存在を考え直したほうがいい【音羽山親方の名古屋場所総括】

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藤ノ川は決して諦めない

――そして、今場所は両横綱(豊昇龍、大の里)を連日破る大活躍を見せた藤ノ川関。2日にわたり金星を上げたことで、懸賞金の数も100本超えだったそうですね……。

音羽山:すごい数ですよね(笑)。今場所は史上最高の懸賞金がかかったそうで、そういう意味では、力士たちの励みになります。私が現役の頃には、考えられないほどの多さです(笑)。

 藤ノ川に関しては、なにより気魄(きはく)が違います。「何かを背負って戦っている」そういう思いが、見ている側にも伝わってくるんですよ。そして、決して諦めない姿勢です。小さな体(177センチ、123キロ)で真っ向勝負に挑んでいるので、首を痛めるのではないかと心配なところもあるのですが、本人の「そういうことは考えない」という強い気持ちのほうが勝っているのだと思います。来場所は、待望の新三役の座も掴めそうですから、ますます楽しみです。

――幕内は優勝決定巴戦でしたが、十両、幕下、三段目でも優勝決定戦がおこなわれて、白熱しましたね!

音羽山:幕下では、入門以来無敗だった旭富士の動向が注目されていましたが、5番相撲で無念の1敗。ところが、7人での決定戦を制して、連続優勝を果たしたのは見事でした。来場所は、幕下の一桁台に番付を上げるでしょうから、十両昇進は固いでしょうね!

豊昇龍はもっと早く休場すべき

――最後になりますが、両横綱の不振が気になります。

音羽山:大の里は中盤戦くらいまで、本場所の「勘」が掴めていない印象でしたが、後半戦は自分の相撲が取れていました。夏巡業では実戦をさらに積んで、自信を持って秋場所に臨んでほしいところです。

 豊昇龍に関しては……14日目になって休場というのは、ファンの方も納得がいかないのではないでしょうか? 悪いところ、治すところがあったら、もっと早く休場すべきです。横綱という存在を、もう一度考え直したほうがいいでしょうね。

武田葉月
ノンフィクションライター。山形県山形市出身、清泉女子大学文学部卒業。出版社勤務を経て、現職へ。大相撲、アマチュア相撲、世界相撲など、おもに相撲の世界を中心に取材、執筆中。著書に、『横綱』『ドルジ 横綱朝青龍の素顔』(以上、講談社)、『インタビュー ザ・大関』『寺尾常史』『大相撲 想い出の名力士』(以上、双葉社)などがある。

デイリー新潮編集部

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