「大変ですよ…“水商売の駆け込み寺”が潰れたわけだから」 決済代行「全東信」倒産が“夜の街”に衝撃を与えた本当の理由
“水商売の駆け込み寺”だった〈全東信〉
「新宿で小さな深夜営業バーをやっている知人が、〈全東信〉被害にあいました。ところが、新しい決済代行会社に申し込んだものの、審査に通らなくて困ってるそうなんです」(銀座の老舗バー・マスター)
実は、〈全東信〉倒産で、未払いもさることながら、これが最大の問題なのだという。先の某金融機関B氏の話。
「〈全東信〉は、1980年代に発足した、大阪ミナミの飲食店や風俗店の互助組合がルーツなのです。その後、カード決済代行事業に進出し、〈全東信〉となって全国展開しました。その際、深夜営業や風俗系、実績のない新規店など、本来、審査に通りにくい店をどんどん加盟させたので、“水商売の最後の駆け込み寺”などと呼ばれ、ここまで大きくなったのです。そういうお店が、いまから別の決済代行会社に加盟しようとしても、審査を通らないケースがかなり出ると思われます。今後、日本中でカード使用不可の飲食店が増えるのではないでしょうか」
しかしそもそも、なぜ「決済代行会社」なんぞを使わなければならないのだろうか。
「もちろん、決済代行を通さず、直接にカード発行会社と取引してもかまわないのです。しかし個人経営店が、たくさんあるカード発行会社と、いちいち直接契約する手間と経費を考えると、とても無理でしょう。しかも直接取引ともなると、審査が厳しいうえ、システム構築もお店のほうでやらねばなりません」(金融会社のB氏)
かようにカード決済ビジネスとは、意外と脆弱なシステムだったのである。そもそも日本の江戸時代では「掛売り」といって、代金の支払いは盆と暮れの年2回、ツケ払いが常識だった。いわば、現代のカード決済の原型のようなものである。それを「現金払い、掛売りなし」に変えたのが、日本橋に「越後屋」(のちの三越)を開業した三井高利だった。
日本の飲食店は、この「越後屋」創業精神にもどったほうがよいのかもしれない――かつての《CLUB》欄だったら、こう締めくくっただろう。
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