「大変ですよ…“水商売の駆け込み寺”が潰れたわけだから」 決済代行「全東信」倒産が“夜の街”に衝撃を与えた本当の理由
銀座の老舗バーにも「月額利用料0円!」のチラシが……
「うちは〈全東信〉ではないので、難を免れました」と、冷静な表情で語るのは、銀座の某老舗バーのマスターである。
「銀座には約1000店舗のクラブやバーがありますが、大半が〈一般社団法人・銀座社交料飲協会〉(GSK)に加盟しています。その多くは、ここが推奨する安定した決済代行会社に加盟しているので、〈全東信〉被害を免れていると思います。またGSKは、独自に〈株式会社銀座カードサービス〉という会社も運営しており、カード会社とお店との契約やトラブルをサポートしてくれるんです」
それでも〈全東信〉被害にあっている店がないわけではない。
「近くの寿司屋では、入口に“カードご使用になれません”の貼り紙がありました。そういう店を助けようと、いま、難をのがれたクラブのママさんが、現金を握りしめて食事や同伴に利用してあげているようです」
〈全東信〉被害にあったカフェ・バー経営者の話。
「〈全東信〉の決済端末が不通になったのは、7月6日からでした。最初は通信ネットワークの不調かと思って、隣りの店に様子を尋ねたら、そこは大丈夫だという。聞いたら大手銀行系列の決済代行会社〈JMS〉でした。てっきり〈全東信〉の端末故障か通信不備だと思い、お客様に現金のお会計をお願いしました。幸い全員が現金で応じてくださったので助かりました。しかしまさか“倒産”だったとは……それ以前1週間ほどの売り上げは未入金のままです」
ここは、従業員も少ない小規模なお店なので、なんとか乗り切れそうだという。だが、多くのホステスを抱え、売上げも多く高い家賃を払っているクラブでは、なかなかそうもいかないようだ。あるミニ・クラブの雇われママさんの話。
「うちはGSK推奨の決済代行だったので大丈夫でしたが、すぐにGSKからメールが来ました。『カード決済端末緊急対応します!』とあり、『〈全東信〉に加盟していた場合、新たな決済代行会社を紹介します』『通常、切り替えに1カ月以上かかりますが、今回は特例として簡易型決済端末をすぐに導入できます』とありました。さらに『GSK会員様は、日本政策金融公庫の融資制度をご利用の際、会員優遇金利の対象となります。資金繰り等でお困りの場合は、こちらもご活用ください』とも。銀座でカード決済にまつわるこの種の騒ぎが起きたのは、初めてではないでしょうか。そもそも銀座のクラブで現金会計をやっていたお店なんてあまりないでしょう。被害にあったあるお店は『毎日、おつり用のピン札を準備するのがたいへんで……』とぼやいていました」
そしていま、銀座の飲食ビルの郵便受けに、やたらと、ある種のチラシが毎日入っている。別の決済代行会社の勧誘チラシである。その1枚には、
〈手間なく簡単導入! 毎日入金サービスあり。決済手数料2.38%~。初期設定費用・決済端末レンタル料・月額利用料(通常1980円)→すべて0円!〉
と、まことにおいしい条件が並んでいる。いま日本中で、〈全東信〉旧加盟店が新たな決済代行会社を探しているとあって、他社は勧誘に必死のようである。ところが……。
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