「大変ですよ…“水商売の駆け込み寺”が潰れたわけだから」 決済代行「全東信」倒産が“夜の街”に衝撃を与えた本当の理由
カード決済システムに関与する「5者」とは
「カード決済システムには、5者が関与しています。(1)利用者(お客)、(2)加盟店(お店)、(3)カード発行会社(三井住友カード、楽天カードなど)、(4)決済代行会社(GMOペイメントゲートウェイ、SBペイメントサービス、全東信など)、(5)ブランド・ネットワーク(VISA、Mastercardなど)です」
ここでよく誤解されるのが、(5)ブランド・ネットワークの存在だという。
「VISA、Mastercardという名前の会社がカードを発行しているように思われがちですが、彼らは、あくまで国際的なネットワークを貸し出しているだけです。たとえば、通販のamazonには〈Amazon Prime Mastercard〉があります。これを実際に発行しているのはamazonではなく、〈三井住友カード〉です。決済の際にMastercardのネットワークを利用するので、その名前が印字されているのです。ただし、American ExpressやJCBのように、1社でカード発行会社とネットワークを兼ねているところもあります」
ショッピングや飲食店でカードを利用すると、瞬時に、お店からネットワークを通じて、カード発行会社に確認情報が飛ぶ。盗難ではない正規カードか、有効期限内か、利用限度額内か――以上3点でOKであれば〈承認〉が出て、取引成立となる。次は、実際の代金の流れだが、
「お店から送られてきた金額データに基づき、決済代行会社は手数料を差し引いた金額を立て替えて、お店に振り込みます。後日、利用したお客の口座から利用金額が引き落とされ、決済代行会社に支払われます。手数料は、カード発行会社、決済代行会社、ネットワークの3社に分配されます」
この手数料は、決済代行会社や契約条件によって様々なのだという。
「安い会社で2%前後というところもありますが、おおむね3.0~3.5%くらいでしょう。そのほか別途、決済代行サービス利用料も必要で、月額5000~1万円くらいかかります。振込手数料やシステム運営費もとられる。要するにカード決済ビジネスは、意外と利益が少ないのです。いまでも“カード不可、現金のみ”のお店があるのは、そのためです。しかし、このキャッシュレス時代にそんなこともいっていられないので、どこも我慢したり、手数料分を見込んだ定価設定にしたり、あるいはランチや低金額ではカード不可にするなど、あれこれ工夫しています。時折、独自の手数料を乗せるお店があります。これは法律違反ではありませんが契約違反なので、発覚すると加盟店解除になります」
そして問題なのは、決済代行会社からお店への、代金の立て替え振込みだという。
「どこも入金は、おおむね1カ月か1カ月半ほどあとになります。大きなお店であれば平気でしょうが、個人経営で、日銭の自転車操業でやっている店にとっては、きついでしょう」
そこを突いたのが、〈全東信〉だった。
「〈全東信〉は、月に6回という、超短期入金なのです。最短で4日後入金サービスもありました。そのため中小店にとっては福音で、一時期、20万店もの加盟があったほどです。ただし手数料は個別見積りで高め。契約条件によって、3.0%から最大5.0%までの幅がありました」
それだけ引かれても、とにかくキャッシュをすぐ入金してくれる〈全東信〉は、ありがたかった。だが実態は、違法悪質店契約問題、資金繰りの悪化で、近年、危機的状況がつづいていたのだ。
ところで、この騒ぎで、おそらく日本でもっともカード決済店が集中していると思われる銀座では、どういうことになっているのだろうか。
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