「わかりにくすぎるルール裁定」めぐり選手が舌戦、怒りのクラブ投げは2件…荒れた「ゴルフ全英OP」で心に「?」が残る理由
マキロイは痛烈批判
デシャンボーをいの一番に批判したのは、ローリー・マキロイだった。
「選手用ラウンジでテレビ中継を見ていた僕たち選手は、あの場面で、みな顔を見合わせた。デシャンボーがライを改善したことは明らかだ。ルール上は、不注意だったか意図的だったかにかかわらず、ライを改善すれば2ペナは当然だ」
さらにマキロイは、デシャンボーがすでにメジャー6試合で取材を拒否し続けていることや、深夜まで練習場に居続けた行動に対しても「注目を得るためのパフォーマンス」「良いことではない」と批判した。
一方で、デシャンボーを擁護する声は多くの選手から上がった。
ザンダー・シャウフェレは、「あの場面の判断は難しいけど、デシャンボーはショット前の必要な動作を行っただけのこと。ショットするために地面や草を踏むのは当たり前だ」と頷き、「上位でプレーしていると、一挙一動がテレビに映し出され、注目される。運もタイミングも悪かった」と同情的だった。
シェフラーは熱弁で擁護
マックス・ホーマも「デシャンボーを長年知っているけど、彼はチーター(不正行為をする人)ではない。2ペナの裁定は僕には頷けない。でも判断するのは僕ではなくR&Aだから仕方ないけど、意図的にライを改善することは、ブライソンのキャラではない」と断言した。
予選2日間をデシャンボーと同組で回った王者スコッティ・シェフラーは、この件については「試合終了後に話す」と答え、ノーコメントを通していた。そして、最終日に4位タイに終わったシェフラーは、自身の宣言通りに語り始め、数分間、熱弁を振るった。
「デシャンボーとは長い付き合いだ。彼はいろいろあるけど、チーターではない。遊びでチップやパットの競争をするときも、アマチュアと回るときも、彼が怪しい行動を取った姿を一度も見たことはない。デシャンボーのボールの周辺の歩き方は、少々不注意だったのかもしれないけど、テレビカメラのアングルによって、(ボールや選手の)動きが実際とは少し異なって見えることはある。いずれにしても、デシャンボーが意図的にライを改善したとは、僕は絶対に思わない」
「消えた」シェフラーのボール
デシャンボーを強く擁護したシェフラーだが、最終日の優勝争いの終盤では、そのシェフラー自身がルールの裁定を求める場面が見られた。そのときは、居合わせたギャラリーもテレビ中継の視聴者も、みな狐につままれたような感覚を覚えたに違いない。
首位に追いつき追い越すためには、シェフラーは終盤で猛チャージする必要があった。16番でバーディーを奪い、続く17番(パー5)では、最低でもバーディー、望むらくはイーグルを獲りたい状況だった。
ティショットは左ラフへ。傾斜地で足場は悪く、ボールは枯れ草の中に埋まり気味でライも良くはなかった。しかし、「ここでミラクルを起こさなければ」と考えたシェフラーは、3番ウッドで2オンを狙う賭けに出たのだが、打球は大きく左に曲がり、テレビ中継の解説者は「消えちゃいました」と口走った。
ルール委員から暫定球を打つよう促されたシェフラーは、言われた通り、暫定球を打った。しかし、初球とほぼ同じ方向へ飛び出し、「これも消えました」という結果になった。
どちらの打球も、このホールの左サイドにそびえていた大型のギャラリースタンド方向へ飛んでいき、その後、見えなくなった。
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