コメ価格“高値維持”に躍起か…「鈴木農水相」と「江藤元農水相」が備蓄米の“早期買い戻しを打診”報道 専門家は「一種の“JA救済策”と批判されても仕方ない」と指摘
相次ぐ備蓄米の買い戻し要請
備蓄米の買い戻しに税金を使うと、JA全農や農協を優先的に救ってしまうのは前に見た通りだ。
そのため「真面目なコメ農家を本当に救済したいのなら、所得補償を実施すべき」という意見も根強い。
「実は世界各国の農業を見ても、最もオーソドックスな政策は所得補償なのです。ただし90年代のヨーロッパ各国で実施された所得補償制度や、2010年代の民主党政権による『農業者戸別所得補償制度』は、『どの規模の農家まで補償するか』という点で選挙目当ての政治的判断が横行してしまいました。結果、農業の適切な大規模化が進まなくなってしまったのです。その反省から私は収入保険制度を実施すべきだと考えています。農家は保険の掛け金を払う必要がありますから、やる気のない農家は加入しません。コメ価格の大暴落が発生して保険だけでは補償できなくなったとしても、対象がやる気のある農家や大規模農家に限られていますから、公金で補填することに反対する有権者は少ないと考えられます」(同・大泉名誉教授)
ところが新聞の紙面に載るのは備蓄米の買い戻しを求める記事ばかりだ。全国知事会は7月2日、コメ収穫が始まる前に政府備蓄米の買い戻しを行うよう農水省に要請した。
江藤元農水相の“問題発言”
JA全中は14日、自民党の水田農業振興議員連盟の会合で、政府備蓄米を早期に買い戻し、食料安全保障を確保するよう強く訴えた──という具合だ。
冒頭で紹介した朝日新聞の記事によると7月1日、自民党農業構造転換推進委員会で議員から米価下落を懸念する意見が続出すると、江藤元農水相が次のように発言したという。
《「大臣は買い戻しをしたい。自分も応援したい。ただ、米価を高値水準に維持しようと捉えられかねない。官邸はそう思っている」》
江藤元農水相の発言を見るに、「物価高に苦しむ消費者に美味しくて安全で安いコメを食べてもらおう」という考えは皆無のようだ。
実際、もはやコンビニのオニギリさえ気軽に買えない時代になってしまった。
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