コメ価格“高値維持”に躍起か…「鈴木農水相」と「江藤元農水相」が備蓄米の“早期買い戻しを打診”報道 専門家は「一種の“JA救済策”と批判されても仕方ない」と指摘
江藤拓・元農林水産大臣と、鈴木憲和・現農水相が“米価の高値維持に奔走した”と朝日新聞が報じている。7月10日の朝刊に「備蓄米、早期買い戻し論 放出で米余り、価格下落懸念し農水族打診」との記事が掲載されたのだ。物価高に悩む消費者は少しでも主食のコメが安くなることを望んでいる。もし朝日新聞の報道が事実であれば、消費者の切実な願いを裏切る動きであることは言うまでもない。
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鈴木農水相は「コメの価格はマーケットの中で決まるべきだ」と常に発言している。にもかかわらず、コメの高値安定を実現するために動いたとすれば、彼が崇拝する“市場原理”と矛盾するのではないだろうか。
まずは朝日新聞の報道内容を見てみよう。記事によると鈴木農水相は6月11日、秘密裏に《官邸首脳》と面会。備置米の早期買い戻しを実施すべく了承を求めたが、「物価高対策に逆行する」と拒否されたという。
翌12日には江藤元農水相を初めとする自民党農水族が《官邸首脳》と面会。同じように買い戻しの実施を求めたが、やはり応じることはなかったとのことだ。
なぜ鈴木農水相も江藤元農水相も備蓄米の早期買い戻しを求めているのか。担当記者は「今起きている“空前のコメ余り”が背景にあります」と言う。
「いわゆる“令和の米騒動”が起きたことで、コメの販売価格が一気に高騰しました。ブランド米に至っては5キロ5000円代にまで上昇したのです。これほど高いと消費者はコメを買いません。そのためJAや民間卸業者の倉庫には売れない昨年産のコメが山と積まれています。今秋に収穫される新米の置き場がないこともあり、一部の業者は損を承知で投げ売りを始めました。そのためコメの販売価格は下落しています」
5キロ3500円を死守
あくまでも特売品という扱いだが、都心のスーパーでも関東近郊のコメが5キロ2500円台で売られるようになった。しかもブレンド米ではなく単一銘柄米だ。
「このまま昨年産米の下落が進むと、今秋の新米の買取価格も確実に下がります。そのため注目が集まっているのが備蓄米の買い戻しです。昨年、コメ高騰対策で備蓄米が放出されました。そのため100万トンあった在庫が30万トンまで減っています。減った分を戻すため、JAなどの倉庫に余っている昨年産米を買い取れば、市場に流れるコメの量を減らすことが可能です。基本的に供給量が減れば、販売価格は上昇します。大規模で高額の買い戻しを急いで実施すれば、新米の買取価格が暴落するのを防げるというわけです」(同・記者)
農業経済学者で宮城大学名誉教授の大泉一貫氏は「朝日新聞の報道が事実ならば、江藤元農水相も鈴木農水相もコメの販売価格を5キロ3500円以上に維持したいと考えているのでしょう」と指摘する。
「米穀安定供給確保支援機構という公益社団法人があります。食糧法に基づく指定法人であり、コメの安定供給を実現するため様々な取り組みを行っています。この米穀機構が3月、『コスト指標』というコメの生産コストを発表しました。3月時点でのデータを基に算出すると、『60キロで3万412円、5キロで2816円になる見通し』だと説明したのです。これに各流通段階での利益を入れると、5キロで3500円前後の小売価格になる可能性があります」
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