コメ価格“高値維持”に躍起か…「鈴木農水相」と「江藤元農水相」が備蓄米の“早期買い戻しを打診”報道 専門家は「一種の“JA救済策”と批判されても仕方ない」と指摘
買い戻しはJAのため?
大泉名誉教授は「実は今、農水省はコメの販売価格を下支えするため、『コスト指標』の他にも転作誘導や備蓄米の買い戻しなど、ありとあらゆる方法を使おうとしています」と言う。
例えば農水省は6月から7月にかけて、水田政策の見直しに関する説明会を全国8ブロックで開催した。その際、農水省は加工用米や飼料用米の生産を積極的に支援することを明らかにしている。主食用米の生産量を減らし、価格を維持するのが狙いだ。
「備蓄米の買い戻しも過剰在庫を減らすことで価格の下落防止効果があります。『下落を防止し、新米の買取価格を下支えし、コメ農家を救う』という“口実”が一応は用意されています。とはいえ買い戻しで直接の恩恵を被るのは農協やJA全農でしょう。少なくとも25年産米に関する限りコメ農家には一銭も入りません。JA以外の集出荷業者や卸業者は在庫減らしのために既に投げ売りを始めましたが、JAの相対価格は1割程度しかさがっておらず、依然として大量の在庫を抱えています。私は以前から『JAは6月から8月にかけて過剰在庫は大問題というキャンペーンを実施するはず』と指摘していました。JAが投げ売りを我慢しているのは備蓄米の買い戻しを待っているからではないでしょうか。鈴木農水相や江藤元農水相が官邸首脳に陳情したのが事実なら、一種のJA救済策と批判されても仕方ないと思います」(同・大泉名誉教授)
5キロ3500円の問題
帝国データバンクは小売店の販売価格を元に「カレーライス物価指数」を算出、発表している。7月10日に同社は「4月の指数は1食あたり364円だったが、5月は361円に下がった」と発表した。
物価高に消費者は悩まされている。ところが意外なことに1食のカレーライスを作るための材料費は下がったというのだ。理由はコメの価格が大幅に下落しているからだという。消費者にとっては朗報に違いない。
「鈴木農水相が維持を考えている5キロ3500円のコメは、消費者に『高すぎる』と拒否される危険性があります。生産コストにこだわるあまり、日本人がコメを食べなくなっては本末転倒です。しかも3500円だと高い関税を払っても外国産米のほうが安くなります。今のコメ農家は外食産業との取引が増えていますが、企業が利潤を追求して外国産米にシフトしてしまうと大きな痛手です。もっと上手にコメ農家の大規模化を進めれば、美味しくて安全なコメを安く販売することは可能です。消費者は喜んで買ってくれるでしょう。これまでコメ農政に消費者の視点が考慮されたことはなく、それが大問題であることは言うまでもありません。日本のコメが世界のコメに対して競争力を発揮してこそ、日本の農村で持続可能なコメ作りが可能になるのです」(同・大泉名誉教授)
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