ペルー大統領に当選 ケイコ・フジモリ氏(51)はなぜ「独裁者イメージ」を払拭できた?
7月3日、南米ペルーの大統領選でケイコ・フジモリ氏(51)が当選した。アルベルト・フジモリ元大統領の娘である。大統領選は4度目の挑戦で、ライバルのロベルト・サンチェス氏とは得票率0.27ポイントの僅差。どんな人物なのだろうか。ニュースサイト「PERU NEWS」編集長の多嘉山ペルシー氏に聞いてみた。
「フジモリ元大統領は国立農業大学の学長から政界に転じました。家族は皆、高学歴でケイコ氏も米コロンビア大学ビジネススクールを出ています。父親が大統領在職中に離婚したので、母親に代わってファーストレディーに就任。来日経験もある。英語、フランス語に通じ、日本語も覚えようとしたそうですが、難しくて途中で諦めたようです。現在はシングルマザーで2人の娘がいます」
左翼陣営から猛烈な恨み
フジモリ元大統領には4人の子女がいる。ケイコ氏は長女で、妹のサチ・フジモリ氏はケイコ氏のアドバイザー。一番下のケンジ・フジモリ氏は、国会議員だったが現在はユーチューバーだ。そして、ケイコ氏を語る上で避けて通れないのが、やはり父・フジモリ元大統領である。
「ペルーは伝統的に左翼が強く、極左集団が大手を振って活動する国でした。彼らはさまざまな利権を握り、大企業や政府機関にポストを持つ人がたくさんいた。左翼をうたいながら裕福な生活をする人たちをペルーでは高価な食材にちなんで“キャビア”と呼ぶのですが、ご存じのようにフジモリ元大統領は利権を一掃。そのため左翼陣営から猛烈な恨みを買ったのです」
最初の仕事は「治安の回復」
1996年の日本大使公邸占拠事件は、そんな“反フジモリ”の空気の中で起きる。また、元大統領は軍に民間人殺害を命じたとして後に有罪判決を受けるが、左翼陣営は学校でこれを教え、独裁者のイメージを広めてきたという。
「ケイコ氏は、良くも悪くもフジモリ元大統領の後継者として見られてきました。軍部内などに元大統領を評価する人たちがいますから、国民の3~4割は彼女を支持する。しかし、独裁者のイメージが付きまとい、それ以上の票は取れなかった。そこでケイコ氏は父の強権的なイメージを修正し、何事も議会の承認と法的手続きを経て執行すると約束しています。それもあって30歳以下の若年層がケイコ氏支持に回ったのです」
就任式は7月28日。大統領になって最初に手を付けなければいけないことは?
「やはり治安の回復です。最近はベネズエラのような左翼政権から流れてくる活動家が増えており、極左集団『センデロ・ルミノソ』も復活している。ケイコ氏は就任式の翌日に首都・リマで警戒態勢を敷くとしています」
やれやれ初仕事がテロとの戦いとは……。


