同居を受け入れてくれた妻だけど…母を「こき使いすぎ」かもしれない 弟まで誘惑?「あの嫁には気をつけろ」50歳夫の違和感

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家事と育児を背負った母

 2ヶ月ほど入院し、その後はリハビリ病院に転院した。その間、剛徳さんと由利さんは保育園への送迎を始め、必死で家庭を維持したという。がんばればがんばるほど、こういうことを母ひとりでやっていたのかと後悔が募った。

「母が退院できることになったとき、僕は、ここへ戻ってきたらまた大変な思いをする。母自身も今は身の回りのことがやっとできる程度だから、いっそ施設に預けたほうがよくないかと言いました。すると由利は『それはかわいそう。やっぱり家族と一緒にいるのがいちばんだと思う』と。母も帰りたいというし、じゃあ、とにかく母がいなかった間に僕らがしていたことは継続、母に負担をかけないという約束で、また一緒に暮らすようになりました」

「あの嫁には気をつけたほうがいい」

 ところが由利さんは時間がたつにつれ、母に家事を頼むようになっていたようだ。剛徳さんの知らないところで、「母をこき使っていた」らしい。そのあたりは由利さんと剛徳さんとでは気持ちの違いがあるとは思うが。

「ちょうどそのころだったかなあ、双子の弟の片割れが母に会いに来たことがあるんです。彼も結婚が決まったので相手も一緒に来て、母を囲んで夕飯をデリバリーでとって、にぎやかでした。ところが数日後、その弟から連絡があって、『兄ちゃん、あの嫁には気をつけたほうがいいかもしれない』と。どういう意味かと聞いたんですが、あまりはっきり言ってくれなくて。根掘り葉掘り聞き出したら、どうやら弟を誘惑したとか。ちょっと信じがたかったから、心に留めておくと言って電話を切ったんですけどね。弟は嘘をつくようなヤツではないから気にはなりましたが」

 そこで剛徳さんは、子どもが生まれてからの夫婦関係を思い返してみた。母が中心になってくれていたとはいえ、夫婦もとにかく忙しかった。あっという間に経つ時間に、棹さすように流されてきた。

「子どもたちの七五三のお祝いをした翌日、母が倒れたんです。そこから遡っていろいろ考えたけど、日々のルーティンの中であった些細なことなどはあまり覚えてなくて。僕はもともとどこか妻を全面的に信頼できない何かを自分の中に抱えていた。それが弟の言ったことと一致しているのかもよくわからない。女を武器にするタイプではないと思うし、弟を誘惑して得することもないでしょうし」

 妻に確認することもないまま、その話は消えていった。

 彼が40歳を迎えるころ、母は次第に横になることが増えていった。

 ***

 剛徳さんが妻に抱いていた違和感は、思いがけない形で深まっていく。記事後編では、露わになった夫婦の亀裂と、剛徳さんが由利さんとは別の女性に抱いた思いを紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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