「殿下は旧皇族の外戚」「高松宮のご落胤」…「ニセ有栖川宮事件」 「八百屋の息子」が「旧宮家の当主」を騙り、逮捕されるまでの“転落人生” 【皇室典範改正案が衆院可決】

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一言も発しない「殿下」

 が、高松宮家からは、

「有栖川宮の祭祀は高松宮が継承していますので、ありえません。ご落胤ですか? そういう方はいません。インチキです。その人はこちらに一度も来たこともありませんね」(宮務官)

 という答えが返ってくる。

 ちなみに、明美さんはこれまで2度の結婚を経験し、前夫との間に、すでに21歳の息子さんと18歳の娘さんがおられる。二人の子供を育てたのは、実家・熊本のご両親だそうだ。ご実家に聞くと、

「記事にはしないで下さい。とにかくウチは何も知らない。関係ありません」

 とケンもホロロだ。

“殿下”については、

「彼は27歳の時に急に有栖川を名乗り始め、以来“宮様”を通しているんです。さまざまな行事に呼ばれていますが、ほとんど人前では話ができません。でも、却ってその無口ぶりが皇室ファンには有難がられているみたいですね」(知人)

 なるほど、立て板に水のごとく話す明美さんの傍らで、“殿下”は一言も発しない。本誌の前述の取材にも、唯一、高松宮のご落胤という言葉が明美さんの口から出た瞬間、

「ご落胤というのは、ちょっと……」

 と、“お言葉”を発しただけなのである。

 ***

 この結婚パーティーの半年後、警視庁公安部は、上記の「夫婦役」男女らを、約1200万円にのぼる祝儀などを騙し取った疑いで逮捕。2006年に東京地裁で両名には懲役2年2カ月の実刑判決が下された。裁判長は「皇室、皇族を崇敬する参会者の心情に巧みに付け入り、踏みにじったもので悪質」と指摘している。判決は後に確定した。

 逮捕直後に「「週刊新潮」が男性の実母や知人にインタビューしたところによれば、男性は京都府宇治市で八百屋を営む両親の長男として生まれた。店の経営難や、父が大病を患って働けなくなったこともあり、幼少時から生活は苦しかった。中学卒業後、工場や寺で働いていたが、事件の18年ほど前から「有栖川識仁」を名乗るようになった。そして、皇族を利用して一儲けしようとする者たちとくっつき、詐欺に勤しむように。そして事件の一年前に山本と知り合い、結婚パーティーを開催、ついに逮捕と相成ったわけだ。

 以上が「有栖川宮詐欺事件」の経緯である。10日、皇室典範の改正案が衆議院で審議入りし、可決した。この後、参議院でも可決される見通しで、成立すれば、旧宮家の男系男子が養子縁組によって皇籍を取得することが可能になる。今後、旧皇族の権威と知名度は増していくだろう。それを利用した上記のような詐欺事件が再び起こらないとは限らない。

 皇室典範改正がもたらす影響について、注視が必要である。

【前編】では、詐欺の舞台となった「結婚パーティー」の詳細を記している。出席者が「とにかくカネ、カネ、カネ……」と驚いた「披露宴」の実態とは――。

デイリー新潮編集部

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