「殿下は旧皇族の外戚」「高松宮のご落胤」…「ニセ有栖川宮事件」 「八百屋の息子」が「旧宮家の当主」を騙り、逮捕されるまでの“転落人生” 【皇室典範改正案が衆院可決】

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 今から23年前の「ニセ有栖川宮事件」――。2003年、旧皇族「有栖川宮」の継承者を名乗る男らが都内で結婚パーティーを開催。出席者から祝儀として現金約1200万円を騙し取ったとして、有栖川識仁(さとひと)を名乗る男性(41、事件当時)と、その結婚相手を演じた山本明美(仮名=44、同)らが詐欺容疑で逮捕された事件である。

「皇族」の名はいかに人々の心を狂わせるか――。それを表す格好の例だ。

「週刊新潮」では、詐欺の舞台となった「結婚パーティー」が開かれた際、いち早くその奇妙な有様を取材し、詳報している。パーティーの詳細について記した【前編】に続き、【後編】では、詐欺に手を染めた「夫妻」の人物像に迫ってみよう。なぜ男性は「有栖川宮」を名乗るようになったのか。そしてその本当の生い立ちとは――。

【前後編の後編】
(「週刊新潮」2003年4月17日記事を一部編集の上、再録しました。文中の年齢、肩書等は当時のものです)

 ***

高松宮のご落胤

 さてさて、宮内庁をも困感させるこの披露宴をやってのけたお二人、いったいどんな方なのか。

 3月下旬、式を前にしてお二人はこう語っていた。ちなみにウェスティンホテルをキャンセルする前だ。

「結婚式というより晩餐会なんですよ。美しい日本を愛していきたい、有栖川宮を継承していきたいと考える人が集まる会なんです」

 と、明美さん。

「著名な方が沢山いらっしゃいますので、警備は警視庁なんです。おそらく宮家の人間ということで特別という認識を持たれたのではないでしょうか。人間国宝ですとか、超有名デザイナーなども来ます。有栖川宮の祭祀の継承は、85年にしました。先祖の供養は日本人として当然のことですよね」

 上品な口調で、明美さんは淀みなくお答えになる。

「殿下は、お母様が有栖川家の外戚なのです。しかも、殿下は高松宮のご落胤でもあります。(偽者とかの話が出ていることについては)誤解されやすい問題ですから、きちんとお調べになってください。今回の披露宴は、プライベートですし、宮内庁に言う必要もありません。私たちについて何か言っている人たちは、殿下を担いで金儲けをしようとしている人たちです」

 披露宴翌日も、新妻は、

「(ホテルから)場所を変えたのは、雅楽などの晩餐会のスタイルがホテルでは無理だったことと、桜が満開になることが分かったからです。だって、カナダ大使館の前の桜って綺麗でしょ? お客様はすごく喜んでくれましたよ」

 と爽やかに答えてくれた。

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