「安い新米が消費者を喜ばせることは賛成です。ただ…」 “コメ大暴落”を前に農家の男性が鈴木農水相に訴えたいこと 「5キロ2000円台を前提にコメを買い取られたら“倒産”するしかありません」

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 第1回【コメ価格「5キロ3000円割れ」が現実に…忍び寄る“暴落”に生産者は「2000円台まで落ち込めば採算が合わない。コメ農家の“倒産”が相次ぎますよ」と悲鳴】からの続き──。複数の新聞・テレビキー局が「新潟や島根のJAがコメの最低保証額の提示を見送った」との記事を配信し、コメ農家に“激震”が走っている。あるコメ農家は「鈴木憲和・農林水産大臣に“直訴”したいことがある」と苦しい胸の内を語る。だが、まずは最低保証額とは何なのか、記事がなぜ農家に衝撃を与えたのか、そこから見ていこう。(全3回の第2回)

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 担当記者は「最低保証額の問題に注目が集まっているのは、“令和の米騒動”や、これから起こるとされている“コメ価格の大暴落”と密接な関係があるからです」と言う。

「令和の米騒動は2024年8月、日向灘地震が発生したことで始まりました。コメの買い占めや外国人観光客の増加で和食需要が伸びたことなど複数の要因が同時発生し、まずコメがスーパーから消え、その後に価格が急速に高騰していきました。首都圏ではコメ5キロ5000円台が常態化し、25年産の新米は民間業者や外食産業大手も参入して激しい争奪戦が繰り広げられたのです。この際、一部のJAは集荷率の維持・上昇を狙って田植え前に買い取りの仮払金である『概算金』の最低保証額を田植え前に提示、夏になって正式額を通知するという方式を実施したのです」

「この買取額が最低ラインです」と示すことで、コメ農家に安心感や期待感を与えたわけだ。ところが、JAしまねやJA新潟では昨年と違って最低補償額を示せなかった。これを日本経済新聞や朝日新聞、TBSといった大手メディアや、業界誌の日本農業新聞が詳報しているのだ。

 なぜ補償額を提示できなかったのか。それは今、史上類を見ないほどコメが余っており、販売価格の大暴落が現実味を帯びているからだ。

コメは確実に供給過剰

「昨年、JAなどコメの買い取り業者は例年よりはるかに高い額でコメを集め、それを卸に売りました。卸も高値で小売店に売るつもりだったのですが、消費者は明確な“NO”を突きつけたのです。5キロ4000円以上のコメは購入を拒否し、台湾、韓国、アメリカ・カリフォルニアなどの外国産米か、パンや麺類にシフトしました。結果、卸業者の倉庫には売れない25年産米が今も大量に積み上がっています。最近、スーパーなどでコメ5キロ2000円台のコメが並ぶようになってきたのは、卸業者が倉庫のスペースを空けるため、損を承知で安く放出しているからです」(同・記者)

 なぜ倉庫のスペースを空ける必要があるのか、それは新米の保管場所を確保するためだ。だが秋になって新米の収穫が本格的に始まると、さらに大量のコメが市場に流れ込む。供給過剰になるのは火を見るより明らかで、新米も含めてコメ価格の大暴落が起きる可能性が著しく上昇している。

「売れ残った25年産米の在庫に、今年の新米が上乗せされます。しかも今年のコメが順調に生育すれば、ただでさえ需要を上回るという予想もあるのです。結果、25年産米の価格暴落に引っ張られるようにして、今年の新米は安く買い叩かれるのではないかという不安がコメ農家の間には強かったのです」(同・記者)

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