過去には児童5人が重軽傷を負った事件でも「危険運転と認めず」…ついに法改正「ドリフト走行」が“危険運転”の対象に
スリップとは完全に区別
「殊更にタイヤを滑らせ又は浮かせることにより、その進行を制御することが困難な状態にさせて、自動車を走行させる行為」
今年2月12日に開催された法制審第204回会議では、この文面が盛り込まれた要綱(骨子)が全会一致で原案通りに採択され、直ちに法相に答申することが決まった。一方、2024年10月に石川県金沢市で「トーキョー・ドリフト」と称される遊び感覚のドリフト暴走により、後部座席の男子大学生が死亡する事故があった。
25年6月の金沢地裁での公判では、亡くなった大学生の父親が意見陳述で「これは交通事故じゃない。息子は殺された」と声を詰まらせて訴えた。ドリフト走行が法律上、問題視される最大の理由は、車の制御が容易に崩れて周囲を巻き込む極めて危険な暴走行為だからだが、公道では路面の凹凸や落下物もあるほか、他の車の動きによって一瞬でバランスが崩れ、制御不能のスピン状態に陥る可能性もある。
今国会で可決した自動車運転処罰法改正案は、前記の答申に基づくものだ。法制審の議論では、雪道でスリップしたり、障害物をよけようと急ハンドルを切ったりして、タイヤが横滑りした場合まで処罰されないよう、悪質性の高い走行だけに処罰対象を限定。1年をかけて慎重に答申はまとめられたのだ。
F1人気が一時期、低迷した背景には、2005年のたばこ規制枠組条約発効によるタバコメーカーの広告完全撤退や、08年のリーマンショックによる自動車市場の低迷の影響から日本の自動車メーカーが相次いで撤退したことがある。人気が下降線をたどると、15年には地上波テレビも放送から完全に撤退。このため17年に動員数は13万7000人にまで落ち込んでいた。
前出の警察関係者は「自動車レースの人気が再燃していることには、何の問題もない。しかし、モータースポーツに罪はないが、触発された若者が峠や埠頭でレースまがいの行為に及ぶ危険は未然に防ぐ必要がある。そうした予防の意味でも、今回の改正法には期待している」と話している。



