「1人100万円はくだらない」シノギは細っても“出”は膨らむ 工藤會トップ交代の裏にある懐事情

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組織側が引導を

 工藤會トップを長年務めてきた野村悟総裁(79)が引退し、ナンバー2の田上不美夫(たのうえふみお)会長(70)に交代したことを「福岡県警が断定した」などと西日本新聞が【独自】記事として報じた。背景に何があったのか。

 野村総裁は2000年に工藤會トップの会長に就任。11年に田上会長にその座を譲って総裁となっても最高権力者として権勢をふるってきた。福岡県警による工藤會壊滅作戦で殺人の疑いなどで逮捕、その後に同罪などで起訴され、一旦は死刑判決を受けた。控訴審では死刑判決は破棄されて無期懲役の判決が下っている。

 西日本新聞が報じたのはざっと以下の通りだ。

・福岡県警は2026年3月、工藤會が他の暴力団に野村総裁の「引退」を文書などで伝えたとの情報を把握した。

・野村総裁は、県警の元警部銃撃など市民襲撃4事件で殺人などの罪に問われ、最高裁に上告中であり、工藤會が関与した事件の被害者たちから、組織代表者としての責任を問われた訴訟で計1億円超の賠償責任が最高裁で確定し、同種の複数の訴訟が続く。

・実際は野村総裁自ら引退を申し出たのではなく、工藤會側が引退を決めて他団体に周知した上で、野村総裁を説得したとの見方を捜査当局は強めた。背景には工藤會の弱体化がある。

野村総裁は組織からの脱退を訴え

 壊滅作戦もさることながら、堅気の人間にも容赦なく手を出す工藤會は全国の指定暴力団のうちで唯一、特定危険指定暴力団に指定されており、組員と準構成員は激減したままだ。全盛期の5分の1とも10分の1ともされる。

「西日本新聞の記事にもありましたが、野村総裁の裁判費用を負担し、在所する福岡拘置所への連日にわたる面会や差し入れをすることは経済的に何かを生むわけではないため組織にとって大きな負担となってきました。市民襲撃事件では田上会長を含め、他にも無期懲役の判決を受けた幹部は少なからずおり、そういった面々への対応もしなければなりません。カネの“入り”は細っているのに“出”は膨らむという状況です。野村総裁は控訴審で組織からの脱退を訴えていましたし、それも死刑判決が破棄され無期懲役となった背景にあるという見方もそれなりにあります。組織側から野村総裁に引導を渡したと見て間違いないのではないでしょうか」

 と、社会部デスク。

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