松たか子、樋口可南子、薬師丸ひろ子、原田知世、松坂慶子…「夫婦とは何か」を考えさせる名作映画5選
人間関係で大切なものは相互理解――そうわかっていてもなかなか難しいのが現実。そばにいることを当然とする夫婦関係では、相互理解の努力を早々に放棄してしまうこともある。夫婦だけれど元は他人。努力不足の末に別れを迎えるケースも珍しくない。映画解説者の稲森浩介氏が、「夫婦とは何か」を考えさせてくれる映画5本を紹介する。
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15年前のあなたと会う
〇「ファーストキス 1 ST KISS」(2025年)
もし結婚する前の過去に戻りいまの相手と出会ったら、あなたはその人と再び恋をするだろうか。タイムスリップという題材を使い、夫婦はやり直せるのかを問いかける作品だ。「花束みたいな恋をした」の坂元裕二の脚本で「ラストマイル」の塚原あゆ子が監督。昨年公開され大きな話題を呼んだ。
45歳の硯カンナ(松たか子)は、結婚15年目の夫・駈(松村北斗)を事故で亡くす。2人はずっと不仲状態で、亡くなった日に離婚届を出す予定だった。夫のことは忘れて新しい人生を歩もうとしていた時、カンナはタイムスリップをし15年前に戻ってしまう。そこにはまだ出会う前の駈がいた。
カンナは、45歳の姿のままで駈は29歳だ。未来の夫にカンナは、「恋愛感情と靴下はいつかなくなる」とか「妻の電気の消し忘れを消して歩く男はだめ」など、駈をさかんに教育する。しかし、将来の夢を一途に語る駈を見て、この人を死なせてはいけないと思い未来を変えようとする。
何度も現在と過去を行き来するカンナは、15年前の自分を見かけて慌てて身を隠す場面がある。松も松村も役とほぼ同じ年齢なので、特殊メイクで15歳若い松、15歳年とった中年の松村の姿は一見の価値ありだ。
タイムスリップものは結末が難しいが、この作品はうまく着地しているのではないだろうか。何でもない日常生活の積み重ねが、夫婦にとって大切なことだと教えてくれる作品だ。
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