「東京03」は「トウキョウレイサン」だったのに…NHKの「今後は“ゼロ優先”へ」がすべてのアナウンサーを震撼させた理由

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「0」の読み方は「れい」か「ゼロ」か――普段、何気なく使っている言葉の読み方には様々な指摘や意見があるようです。正しい日本語を使って物事を伝えるアナウンサーにとって、それはとても大切なこと。今回は身近な言葉の意外な読み方について、東海ラジオでプロ野球実況を35年務めた、村上和宏さんが解説します。

アナウンサーには大事件!

 NHKは今年4月から、電話番号と郵便番号の「0」の読み方を、これまでの「れい」から「ゼロ」に変更しました。「れい」を使わないのではなく、「ゼロ」を優先する形にしたという表現が、一番実情に沿った言い方になると思います。

 NHKの発表後、この読み方の変更について、全国各局のアナウンサーがSNSで様々な意見を発信しています。というのも、アナウンサーにとってこの発表は皆さんが思う以上の大事件だったのです。

 民放のアナウンサーでも、言葉のアクセントや読み方についてはNHKに準ずることになっています。なぜかというと、NHKには「NHK放送文化研究所」という、日本語について徹底した調査、研究を行う組織があります。ここでは、時代と共に変化する言葉を常に調査およびチェックしているからです。

 このような専門的かつ大掛かりな組織は、民放では持つことができません。

 NHK放送文化研究所が発行しているのが「NHK日本語発音アクセント辞典」で、アナウンサーにとってなくてはならない一冊となっています。我々アナウンサーは、入社後に受ける研修で、常にこのアクセント辞典を横に置きます。そして、自分が普段使っている言葉のアクセントが正しいのかを確認すると共に、常に正しいアクセントで言葉を発するように訓練を受けます。

 この研修で、講師役の先輩アナウンサーから耳にタコができるほど繰り返し言われたのが「0」は「ゼロ」ではなく「れい」と読む――アクセント辞典にそう書いてあるからそう教えるのですが、NHK放送文化研究所が「れい」とした根拠は、「『ゼロ』は外来語だから」ということでした。

 今回、NHKが「ゼロ」を容認し、電話番号と郵便番号に限るとはいえ「ゼロ」を「れい」よりも優先するに至った経緯については、NHKのwebサイトにある「研究員の視点」というページで、メディア研究部の藤井まどかさんが詳しく紹介しています(4月20日付)。

 実際に私がそうでしたが、例えば電話番号を口にするときには「03」を「ゼロさん」と言っていましたし、研修を始めたころは違和感がありました。しかし、「0」を「れい」と読むように徹底されると、慣れてきたせいか、逆に「ゼロ」と読むことに違和感を覚えるようになりました。

 全国のアナウンサーが、NHKの「0」の読み方変更に反応したのは、おそらく私と同じように「れい」と読むことを訓練によって身に着け、それが正しい日本語だと信じてそう読んできたのに、突然「ゼロ」でもいいとされ、戸惑ったからだと推測します。

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