「嬢を“駒”として見ている自分に気づいた」キャバクラのボーイを経て就職。即プロポーズするほど好きになった3歳年上女性に見抜かれたもの

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見方を変えてくれた栄里さんとの出会い

 キャバクラで働く女性たちに寄り添っているように見せながら、頭では冷徹に「この子はこの先、伸びないな」などと判断している自分が嫌になったらしい。だが、就職してからは彼のその視点が武器となった。

「最初は営業、そこから企画や開発などを渡り歩きました。どの部署も自分としては楽しかったですよ」

 3歳年上の栄里さんとは人事部にいるときに親しくなった。才気煥発で明るく、なおかつ後輩の面倒見もいい彼女は誰からも人気があった。

「僕の仕事を見ながら、彼女が『あなたは自分の想定以外のものが見えてない』と指摘したんです。仕事を始めて5年ほどたったところで、僕自身が、なんだか殻が破れないような試行錯誤の日々だったので、彼女の指摘に驚きました。それほど僕の仕事の詳細を知っているわけではないのにピタリと言い当てられた。その後、上司とも話して、彼女とコンビでの仕事を増やしてもらいました」

 そこから彼の「仕事観」は変わった。さまざまな角度からものを見て、きめ細かく仕事をすることができるようになった。それと同時に栄里さんへの個人的思いも強くなっていった。

「学生時代から恋愛はあまり得意じゃなかった。長続きしないんですよ。それでいいとも思ってたし。人生において恋愛にはあまり重きを置いてなかった。そう言うと、モテる男の言い草だよねと言われるんですが、僕のモテ期は中学生時代で、大人になってからはモテなかったですよ」

 とはいえキャバクラボーイ時代に培った人当たりのよさから、告白されたことも多々あったようだ。だが「寄り添うようで、実際には冷徹に見てしまう」その時代の癖はなかなか抜けない。それは彼にもともと備わっていたものかもしれないが。

「それをダメだと言ってくれたのが栄里だったんですよ。仕事で今ひとつこれというものがつかめなかった僕が、やっとある種の達成感を得ることができたプロジェクトがありました。それが終わったとき、『これで独り立ちできたね』と栄里が言ってくれた。上司も褒めてくれました」

つきあう前のプロポーズ

 それを機に尚彦さんは栄里さんにプロポーズした。つきあってもいないのにいきなりのプロポーズである。苦笑する栄里さんに、「僕の人生にあなたが必要なんだ」と迫った。そのとき栄里さんは「だからといって、私の人生にあなたが必要かどうかは別の話」と言って笑ったという。

「こういう女性に引っ張っていってもらえば、僕の人生、イケイケじゃんと思った。どこまでいってもノーテンキでしたね」

 尚彦さん29歳、栄里さん32歳のときに、周囲から大きな祝福を受けて結婚した。キラキラした幸せが舞い降りてきたと尚彦さんは感じていたという。

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記事後編では、家庭を築いた先で尚彦さんが重ねていった家庭外の恋、50歳の誕生日に娘から告げられた衝撃の言葉を紹介している。

デイリー新潮編集部

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