実は5期連続増収の「日本スタバ」誰が買う? 「アメリカでは“高いだけの店”というイメージ」

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米親会社は8四半期連続減益

 コーヒーチェーンのスターバックスで「キャラメルマキアート」を頼むと高いもので1000円近くする。それでも店内は混んでいて、空席を見つけるのが大変なこともある。実際、会社(スターバックスコーヒージャパン)は5期連続の増収だ。

 ところが、アメリカの親会社は、昨年まで8四半期連続減益という体たらく。ついに日本事業の売却を検討していると米ブルームバーグが報じたのは6月9日のことだ。それによると売却額は4000億~5000億円で、上場も検討しているという。同じスタバなのにアメリカと日本の差は、どうしたことなのか。

 フードサービスジャーナリストの千葉哲幸氏が言う。

「もともと、日本のスタバは1990年代のシアトル(創業地)の店のスタイルを持ち込んだものなのです。当時、私もアメリカのスタバに行った経験がありますが、衝撃的だったのは店内禁煙だったこと。たばこの臭いがないせいもあってコーヒーがやたらとおいしかった。それを日本に持ち込んだのが生活雑貨や飲食を手がけるサザビーリーグでした。だから、日本のチェーンで初めて店内禁煙を打ち出したのはスタバなのです。加えてサザビーリーグの方針が良かったのは、接客の丁寧なところ。これを守っているから、今でも客足が絶えないのです」

“高いだけの店”

 日本事業の繁盛ぶりを見たスターバックス本社は、2015年にサザビーリーグから株を買い取って完全子会社にしたが、しばらくすると収益の7割を占めるアメリカ事業のほか、中国事業もおかしくなり始める。

 外食ビジネスアナリストの三輪大輔氏によると、

「アメリカのスタバは、スマホで前もって注文できるモバイルオーダーを早くに取り入れるなどIT化に積極的でした。しかし、その結果、飲み物を店頭で受け取る形になってしまった。すると、例えば近くのダンキンドーナツのコーヒーと大して変わらないと思われ“高いだけの店”というイメージが付いたのです」

 一方でアメリカの次に力を入れた中国事業はというと、地元資本のコーヒーチェーンに押されまくっている。例えばスタバに似たコーヒーチェーンに「ラッキンコーヒー」があるが、圧倒的な安値でスタバの3分の1ぐらいの飲み物も。

 中国がお得意の価格競争に巻き込まれるわけにもいかず、昨年11月には中国事業の株式の半分を売却する事態に追い込まれた。

 さて、日本事業を売りに出すというが、どこが手を挙げるのだろう。ちなみに11年前にスタバを本社に譲渡したサザビーリーグに聞いてみると、

「(スタバを買ってほしいという話は)まだ、当社に来ておりません」(広報担当者)

 事業売却のために、すでに投資銀行がアドバイザーに入っているといわれている。ちょっとお高めだけどキャラメルマキアートのように、喜んで買ってくれる相手は現れるのだろうか。

週刊新潮 2026年6月25日号掲載

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