【ビートルズ来日60周年秘話】メンバーが「トーキョーは車が少ないね」と呟いたウラに「首都高封鎖」の警備態勢…機動隊員が警棒ではなく「白手袋」を身に着けた深い理由

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総合警備本部を設置

 ビートルズ来日9日前の6月20日から、警視庁は学校や民間補導員に協力を求め、「特別補導体制」を実施した。学校を無断で休み、警備対象の場所に参集する少年少女への警戒を強化したのである。この結果、6520人の少年少女が補導されることになる。

 そして6月29日午前3時49分、一行は羽田空港に到着。ここから離日までの102時間、警視庁の威信をかけた警備が始まる。まず同日に「総合警備本部」を設置、羽田空港では470台のクルマと2000人のファンが追い返された。メンバーが乗ったピンクのキャデラックは、5台のパトカーで誘導した。上下線とも封鎖されている首都高速を見て、「トーキョーは思ったより車が少ないね」とこぼしたメンバーもいたという。

 1日目の公演となった6月30日、武道館には1600人の制服、100人の私服、女性警察官31人が配置されただけでなく、パトカー12台に、指揮官車など機動隊車両20台がずらりと並んだ。

 武道館内部では、アリーナ席を空席にし、機動隊員を配置。現場警備本部を設置して警視庁警備部の幹部はじめ、指揮幕僚が陣取ることに(この様子も上記の映像に収められている)。会場警備に関し、幕僚たちを悩ませたのが2~3階席だった。見やすさを優先したつくりのためか、最前列の手すりが低い。これなら、本気で飛び降りようとしたファンが……。

「山田氏がひらめいたのが、2年前の東京オリンピックで使用したパイプ柵でした。今ではすっかりおなじみですが、マラソン競技などで観衆のエリアを制限したり、選手の誘導に使ったりしているものです」(前出・記者)

 そして、武道館の周囲の堀には、救助用のボートに乗り込んだ機動隊員が周囲に目を光らせる。泳いで武道館に近づくファンがいるかもしれない。それを事前に防ぐためだった。さらに、観客席の間にある各通路にも制服の機動隊員を二列で座らせただけでなく、私服の警察官も通路と一般客席に紛れ込ませた。少しでも立ち上がろうとする客がいると、それを制止するめである。

 前座をザ・ドリフターズが務めたことは有名だが、メンバーの加藤茶(83)による証言がある(2000年6月に放送されたバラエティ番組から)。

「俺たちにもビートルズは見せてくれなかったんだよ。危ないからって、機動隊が盾を並べて守っちゃってる。『ようリンゴ、おまえドラマー? おれもだよ』なんて話したいじゃない。着いたっていうから玄関までバーッと走っていったのに、足しか見えねぇんだもん」

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