タイで拘束された特殊詐欺グループのオーナーはハーバード大卒? 「町で一番の秀才だった」「関東の私大から大学院に」
カンボジア北西部のポイペトにある特殊詐欺の拠点には、詐欺の電話をかける「かけ子」のグループが複数存在している。中国や韓国、インドなどから集まった数百人がうごめき、日々、電話をかけ続けているのだ。
【写真を見る】「昔と変わらない優しい顔」 地元・八丈島では「秀才」で有名だった佐々木容疑者
そんな地域で活動していた日本人の特殊詐欺グループのオーナーが捕まった。住居不詳、自称会社役員の佐々木裕介容疑者(38)である。彼は東京都心から南に約300キロ、自然豊かな八丈島の出身で、かつては地元で“秀才”と呼ばれた男だった……。
まずは、社会部記者の話。
「6月5日、タイ警察が、バンコクで佐々木の身柄を拘束しました。16日に引き渡しを受けた愛知などの6県警合同捜査本部が、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕。昨年2月にかけ子らと共謀し、ポイペトの拠点から警察官を装って茨城県つくば市の女性に電話をかけ、3140万円をだまし取った疑いです」
佐々木容疑者のグループによる日本国内での特殊詐欺被害は、昨年2~5月で約14億円に上り、
「彼はオーナーとして詐取金の3~4割程度、月に約1億円もの報酬を得ていた。彼はこの数年、タイの首都バンコクの高級マンションで妻子と暮らしながら、カンボジアの拠点などに遠隔で指示を出していました。その前は都内に住み、カンボジアの教育事業に取り組むNPO法人にも参加。その経験も生きたのでしょう」(同)
かけ子には自主練させ、反省会も
その手口はきわめて巧妙でした、と合同捜査本部の関係者が明かす。
「特徴は、かけ子の徹底管理にあります。だましの手口は3段階の分業制で“1線”と呼ばれる最初のかけ子は、電話を取った被害者がガイダンスに従うと電話に出て通信会社をかたり“マネーロンダリング事件で、あなたの携帯電話が不正利用されている”と被害者に告げるのです」
次に“2線”が登場し、
「警察官に扮し、本格的に被害者の不安をあおります。ビデオ通話で、被害者自身が容疑者だと通告。“口外すれば逮捕する”と脅して周囲への相談などを遮断し、被害者から逐一、起床や外出などの行動を報告させる。で、時機をみて銀行口座や残高なども申告させます」(同)
仕上げは、検察官を装った“3線”。
「被害者に逮捕状が出たと伝えて衝撃を与え、“あなただけ特別に助けられる”と持ちかける。そして犯罪収益かどうか調べるためとの口実で、グループの口座に金を振り込ませるのです」(同)
一連のやりとりで佐々木容疑者が徹底していたのが、
「丁寧な言葉遣いです。かけ子には常に“……でよろしいですか”という口調で会話させる。一流企業の社員といっても遜色ないほどでした。かけ子には会話などの自主練習をさせ、電話の“営業成績”も管理した上反省会まで課していた。佐々木はグループ内で“A先生”と呼ばれていました」(同)
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