「3年で50校が募集停止」 激減する短大の陰で“社会インフラ”が失われる地域の実態
女性比率は約85%
そもそも短大とは、学校教育法上で「大学」に位置付けられますが、修業年数が2~3年、また職業教育や実際生活に関する教育を行うことを目的としている点で、四年制大学とは目的が区分されています。一般企業への就職者も多いですが、保育や幼児教育、看護、介護領域をはじめとした、国家資格を要する専門職への就職者が6割以上を占めています。
入学者の大半が女性であるイメージをもたれる方も多いかもしれませんが、昨今の女性比率は約85%。全体の入学者数が減ってきている一方、男性に支持されている工学系の学科の充足率はそれほど落ちていないこともあり、相対的に男性比率が少し高まった事情があります。
とはいえ、歴史的に女性の高等教育の担い手としての役割を果たしてきた面は大きい。こうした中、少子化だけでなく、女性の四年制大学志向が高まったという社会事情も、短大志望者が減っている背景にあります。
加えて、高等教育機関に対する国の支援の要件が厳格化傾向にあり、2024年度からは定員充足率が「3年連続8割未満」の場合は原則として対象から外されることになったことも、一つの転機にはなったと思います。
特に四年制大学に併設される短大の場合は、現時点でそこまで危機的な状況ではなくとも、中長期的な視点で四年制大学に集約してしまうというのは、ある意味合理的な経営判断といえるのでしょう。
したがって先述の通り、一口に「また募集停止する短大が出た」といっても、首都圏の四年制大学が併設する短大を募集停止するという“経営判断”を行うのと、地域そのものを支えている短大がなくなるのとでは、その意味も影響も全く異なるということです。
生徒が専門学校に流れる面も
短大はよく専門学校とも比較されますが、授与されるのが「専門士」または「高度専門士」といった“称号”である専門学校と違い、短大は「短期大学士」という学位規則上の“学位”が授与されます。
また、短大は四年制大学と同じく定員に応じた教員数、校地面積、図書館、グラウンドなどの設置基準が詳細に定められています。
それゆえ学びの環境が法的に担保されているというメリットがある一方で、専門学校のように、都心の駅チカのビルに設置することはなかなか難しい。全体で292校ある短大のうち、東京23区や政令指定都市に位置しているのは35%程度で、それ以外の都市にある短大が大半を占めています。
こうした立地の面で、専門学校を選択する人が増えた部分はあると思います。今は専門学校で「高度専門士」を取得すれば、大学卒業者と同等とみなされ、大学院の修士課程へ進学することも可能になっています。専門学校が魅力に映りやすい状況は、短大にとっては向かい風といえるでしょうか。
〈短大が輩出する人材の意味、支援の“死角”になっている構造的問題、短大が生き残る道などについて、新潮QUEで詳報している〉
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