「3年で50校が募集停止」 激減する短大の陰で“社会インフラ”が失われる地域の実態

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 かつて600校近くあった短期大学が急減し、今やその数は300を下回る。さらに2025~27年度での募集停止を決めた短大は50にも及ぶなど、その勢いは加速しているのが現状だ。果たしてこれは、“時代のせい”と切り捨てていい問題なのか。「短大消滅」を前に、「見落とされている重大な影響がある」と指摘するのは日本私立短期大学協会の麻生隆史会長だ。

地方の短大がなくなる意味

 少子化の影響で、「大学の募集停止」が話題になる機会が増えました。その中でも短大を取り巻く環境は厳しく、全国で292校あるうちの9割近くが定員割れ状態で、ここ1年ほどでも20以上の短大が募集停止などを発表しています。

 いわゆる“短大離れ”の詳細な理由は後述するとして、ぜひ注目いただきたいのは、地方の短大がなくなることの甚大な影響です。

 保育士や介護福祉士などのいわゆるエッセンシャルワーカーを社会に送り出してきた短大が減れば、その担い手の減少につながりかねないことは想像に難くないでしょう。

 しかし問題はそういった“表面上の話”にとどまりません。

 たとえば、2026年度以降の募集を停止した釧路短期大学。かつて北海道全体で30以上あった短大は半減していて、現在釧路市内にあるのは釧路短大1校だけです。その1校が、今まさになくなろうとしている。

 もう少し具体的な話をしましょう。釧路・根室地方で保育士の資格をとれる学校は、釧路短大と「くしろせんもん学校」の2校のみ。その片方がなくなってしまったら、地元の保育の担い手はどうなるのでしょうか。市外からカバーするといっても、たとえば札幌と釧路は300キロ以上離れています。遠方から釧路まで働きに出ようと思ってくれる人がどれだけいるでしょうか。

 こうした地域の場合、「短大が減る」=「学校数が減る」という問題だけではなく、その短大が養成してきた人材が活躍する保育園や幼稚園、介護施設、病院といった「社会インフラ」にまで大きなダメージを与えかねないということなのです。

 もちろん、首都圏で閉学する短大が増えることも大変残念なことではありますが、このような“替えの効かない地域”でなくなる1校は、地域社会に与える影響が計り知れない。これが、「短大消滅」の本質的な社会的影響です。そして今、それが実際に現実のものとなりつつある。

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