日本人の“コメ離れ”が加速も…なぜ農水省は“減産で高値維持”の方針を変えないのか 専門家が「コメ価格を安くすることは農家にとっても有益」と指摘する理由

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 第1回【スーパーの“コメ安売り”に歓喜の声も…新米の季節を前に専門家は「備蓄米の買い入れで“高値維持”の可能性」を懸念 コメ支出が“前年比1・5倍”に急増した2025年「コメ騒動」の余波】からの続き──。2025年に起きた異常なコメ価格の高騰が、どれほど消費者を苦しめたか、総務省の家計調査によって改めて浮き彫りになった。そのため日本経済新聞やNHKが家計調査を元にコメの価格に関する記事を配信しており、さらに調査内容を詳しく見てみると、「日本人のコメ離れ」が猛スピードで進行していることも分かる。(全2回の第2回)

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 しかも「日本人のコメ離れ」は消費者がコメ価格の上昇を嫌がって進んだのではなく、もっと根本的な理由があるようだ。

 家庭におけるコメの購入量は常に減り続けている──この事実を明らかにするため、パンおよび麺類と比較してみよう。家計調査によると、例えば2002年に「2人以上の世帯」は1年間にコメを93・84キロ購入し、約3万6500円を支出した。

 一方、同じ02年でパンは43・5キロを購入し、2万6750円を支払っている。麺類は約36・7キロで、約1万8300円だった。

 その後、コメの購入量は一貫して右肩下がりを示した。令和元年にあたる2019年は62・20キロで、02年と比較すると約34%の減少となった。これに対し、パンは約46キロ、麺類は約33・1キロで、ほとんど変わっていない。

 2025年のコメ購入量は61・3キロ。02年と比べると約34・7%の減少だ。ところがパンは約41・8キロ、麺類は約34・5キロで、やはり横ばいなのだ。

 農業経済学者で宮城大学名誉教授の大泉一貫氏は「家計調査のデータから消費者のコメ離れが進行しており、炭水化物の摂取はパンや麺類にシフトしていることが分かります」と言う。

毎日パンでも飽きないという消費者

「そもそも最近の日本人はカロリーをおかずで摂取し、炭水化物を控える傾向が顕著です。その影響を大きく受けているのがコメというわけですが、それでもパンと麺類は横ばいということは注目すべきでしょう。コメは著しく減ったのに、パンと麺類は変わっていないわけですから、“炭水化物の摂取源”に占めるパンと麺類の割合は増えたことになります。そもそもコメは研いで炊く必要があります。仕事や育児で忙しい家庭にとっては負担でしょう。一方のパンはトースターで焼かなくても食べられるものもあります。種類も豊富で飽きません。炊き込みご飯があるといってもコメは基本的に白米なので、パンほどのバリエーションは感じられないのです。さらにコメは外食や中食で食べられることも増えてきました」(同・大泉名誉教授)

 コメの絶対的な摂取量も減っているが、加えて日本人はいつの間にか家でコメを炊かなくなった。その代わりにコンビニ弁当やおにぎり、パックご飯で食べることが増えてきたということなのだろう。

 大泉名誉教授は「さらに令和の米騒動が起きた2024年の夏以降、コメの需給バランスに変化が生じている可能性があり、これも気になります」と言う。

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