イラン合意「覚書」巡り「最悪の失策」「愚か者」と応酬…「トランプ氏の米国」で止まらぬ分断と悲観 宗教離れの若年層は社会主義へ向かう

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トランプ氏の対応に批判の声

 6月21日、米国とイランの最終的な戦闘終結を目指す協議がスイス中部ビュルゲンシュトックで始まった。この協議は17日に両国の間で結ばれた覚書に基づくもので、60日間の期限内に最終合意を目指している。

 協議に参加したバンス米副大統領は22日、イランが国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れに合意したと述べるなど一定の成果が出たようだが、両国の溝は依然として深く、予断を許さない状況が続いている。

 17日の覚書に関する米国内での評価は散々だ。

 野党・民主党に加え、与党・共和党からもトランプ氏の対応に批判の声が一斉に上がっている。かねてトランプ氏と距離を置いてきた共和党のカシディ上院議員は、この数十年で最悪となる外交上の失策と糾弾したほどだ。

 批判勢力に対し、トランプ氏も反撃に出ている。

 18日のSNS投稿では、イランに対して強硬ではないと批判する勢力を「愚か者」と切り捨てた上で、「株価の記録的な高値」と「原油価格の“急落”」という経済面でのプラスを強調した。

 米国のガソリン価格は5月に1ガロン当たり4.5ドルを超え、インフレ率を押し上げる要因となったが、暫定合意を受けて原油価格が急落し、18日は3.99ドルと約3か月ぶりに4ドルを割り込んだ。米国の株式市場も史上最高値を更新していることと合わせて、今回の合意の賜物だというわけだ。

新たな火種はAIのデータセンター

 イランとの合意に気を良くしたトランプ氏は、ロシアとウクライナの仲介にも前向きになっている。15~17日の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の場で、トランプ氏はロシアへの制裁強化に言及し、イランを終えたので次の焦点はウクライナと述べた。

 ただ、トランプ氏は気まぐれな発言で知られている。イランとの最終合意に向けた交渉が難航すれば、ウクライナへの関心が再び薄れる可能性は十分にあるだろう。

 トランプ氏が主張したように、米国経済は好調さを維持している。だが、成長においてエンジンの役割をはたす人工知能(AI)を巡っては、国民の視線が厳しい。

 ロイター/イプソスが3~8日に実施した世論調査で、AIを支えるデータセンターの建設が急ピッチで進むことを容認している割合は33%にとどまり、大半が自分の住む地域での建設に反対していることが判明した。

 AIの普及で職を奪われるとの不安も広がっており、11月3日の中間選挙の争点の1つになるとの見方が浮上している。トランプ政権は中国をライバルとみなしAIの急速な開発を優先させているが、民意を軽視すると痛い目に遭うかもしれない。

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