内田梨瑚被告の見苦しい主張を「明らかに不合理」と一蹴するも「無期懲役」判決は下らず…“舎弟女”の供述が完全採用されなかった理由
内田被告の主張が退けられた2つの理由
どちらかが“ウソ”をついているわけだが、旭川地裁は小西受刑者の供述の大部分を事実として認定した。
〈小西の前記供述は、被告人だけでなく、小西自身のAに対する暴行、脅迫といった自己に不利益な事柄についても明確に供述しており、自身の責任を被告人に押し付けようとした様子は窺われない。その供述内容は、全体として自然で矛盾する点もなく、被告人と小西による暴行、脅迫の態様に関する供述は、実際の体験ではない虚偽を作出したものとは考え難い具体性を備えている〉(判決より、以下同)
一方、内田被告の主張については次の2点を挙げて認定できないとした。
〈欄干にまたがっていたAが、欄干から落下した後、被告人の述べるように通路側を向いてロープにつかまり、床板と並行になっている柱に足を絡ませる姿勢になること自体、容易に想定し難い。また、当時17歳の女性であり、摂氏5度前後の気温で小雨が降る中、全裸の状態で神居大橋に連れてこられ、被告人らの暴行等によって衰弱した状態にあったAが、落下の際にロープや柱につかまり、しかも自力で橋の上に戻ってきたというのは、明らかに不合理で考え難い〉
〈被告人と小西は、Aに対し、再三にわたって死ね、落ちろなどと迫り、欄干にまたがるAを欄干の外側で川の方を向いて立たせるという危険な行為に及んでいたにもかかわらず、突如としてAを欄干の外側に置いたまま、Aに現金とスマートフォンを返して立ち去ることにしたというのも不自然である〉
橋から落ちる以外の行為を選択することができない精神状態に陥っていた
ただし、旭川地裁は、小西受刑者の供述のうち「内田被告がAさんを押して落下した」と直接手を下したとした部分については、〈被告人の関与のみを述べ、小西自身は最後にAを助けようとしたかにも述べる内容〉とし、供述を裏付ける証拠がないなどの理由で認定しなかった。
そして下記の理由で、Aさんが誤って落下した、もしくは自ら落下したとしても、殺人の実行行為に該当するとした。
〈Aは心身共に追い詰められ、助けを求めることも、被告人らの許しを得ることもできない状況で、欄干に座りその外側部分に立つという危険な行為を強要され、更に死ね、落ちろなどと繰り返し怒鳴られていたのであり、もはや被告人らの命令に応じて橋から落ちる以外の行為を選択することができない精神状態に陥っていた〉
〈被告人らの行為はAをして被告人らの命令に応じて、橋から落下するという死亡の現実的危険性が高い行為に及んだものと評価できる〉
また、内田被告が「死にたいと言っていたAさんが本気で死ぬ気があるか試すために犯行に及んだ」と殺意を否定している点についても、〈直ちに首肯し難いものである上、被告人が自身の行為はAを転落させる危険性の高いものであるとわかった上で、あえてその行為に及んだことを否定するものともいえない〉とし、殺人の故意を認めた。
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