25年ぶりに「忘れられない人」を探し出したら…52歳夫を待っていた“変わり果てた彼女”と隠され続けていた秘密

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50歳 心には美都里さんのことが…

 50歳になったとき、子どもたちは20歳と17歳。大きくなったなあと感慨にふける一方で、彼はふと人生を見つめ直す気になった。

「見つめ直すというか、人生がすうっと1本の道になったような気がしたんです。どこが本筋なのかわからなかった僕の人生だけど、家族ができて道ができた。この道を、もう少し外から見てみたい。そんな思いにとらわれました」

 たまたま中学を卒業して35年にあたるので、大規模な同窓会があると連絡があり、実家近辺に行ってみたのもきっかけとなった。当然、泰典さんの心にあったのは美都里さんのことだ。彼女があれからどうなったのか、そして今、どうなっているのか。知りたかった。

「簡単にわかるだろうと思いました。彼女の実家もわかっているわけだし。でも実際、行ってみて驚きました。町並みがすでに当時と違っていた。僕の実家は兄の死後、処分してしまいましたが、周りも軒並み家がなくなっていてマンションが建っていて。美都里の実家もありませんでした」

 同窓会の出席者に、美都里さんと仲がよかった人がいないかを尋ねてもわからない。会場の人すべてに聞きたいと焦っていると、ひとりの女性が近づいてきた。

「美都里先輩のことを探してるんですかと。『彼女は10年もつきあった男性に死なれて自暴自棄になった。自殺未遂を繰り返したけど死ねず、近所の既婚男性と駆け落ちしたが、その男性にも捨てられたんです』と。そんな典型的な転落人生ってあるのかよと思いながら聞いていました。その後はやっぱり行方不明とかなのかなと思ったら、なんと彼女は美都里の行方を知っていました。ただ、誰にも言わないでと言われている。あなたと美都里先輩の関係を聞いて、それを彼女に伝えてから連絡すると」

連絡をとるべきか、とらざるべきか…

 数日後、その彼女から連絡があり、美都里さんの連絡先が伝えられた。だが、泰典さんは怖くてなかなか連絡ができなかった。あのときの美都里さんの体の柔らかさ、肌のぬくもりを、実は彼はずっと覚えていた。それを思い出して眠ることもあった。

「憧れの女性と結ばれた、しかも一夜限りの関係。あのままになったことを悔やんでいました。かといって、兄の思ったとおりに僕が彼女とつきあうわけにもいかない。それは嫌だった、でも彼女への思いは変わっていなかった。自分の気持ちを見ないようにしてきたんですが、50歳を機に心にひっかかっているものを解決したかった。一歩踏み出すには勇気がいりました」

 1週間、考えに考えて、ようやく連絡をとった。彼女は入院していた。都心から2時間離れた小さな町だった。見舞いに行くと伝えると、「あなたに会う決心がつかない」という返事だった。数日に1回、どうしても会いたいとメッセージを送った。

「やっと、じゃあ来てと言われたのは1ヶ月後でした。まだ入院しているのかと心配しながら行ってみると、彼女は小さな病院でげっそりやつれ果てて横たわっていました。昔の面影もなかった。『こんな姿で会いたくなかったわ』と無理に笑おうとして涙がこぼれているのを見て、僕も胸が痛みました」

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