歯を磨いているのに口臭が… 原因は「口呼吸」の可能性 放置するとさまざまな疾患に

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口にテープがお勧め

 声は出しても出さなくても結構です。声を出すと口内が乾燥しやすくはなりますが、より筋肉が鍛えられます。そのため誤嚥を起こしやすい人などには効果的です。顎関節症の方など、口を大きく開けられない方は、あごの関節に負担の少ない「い」「う」だけでも結構です。ただ、「い」「う」だけでは舌が鍛えられませんので、その場合は口を閉じた状態で、上の歯と唇の間に舌を入れて左右に10回ゆっくり滑らせてください。下の歯も同様です。そして、左右の頬に舌を押し付けてください。左右を1回として20回行ってください。

 普段鼻呼吸をしているが寝ているときに口呼吸になる方は、口が開かないように医療用のテープ(サージカルテープや絆創膏など)を口に貼って寝るのをお勧めしています。口を閉じると舌はおおむね正しい位置に収まります。

 この「あいうべ体操」と口テープを実践したアトピー性皮膚炎の患者さんは、始めて3カ月~半年で肌の赤みやカサカサが消え、劇的に改善しました。関節リウマチや掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の方も同様です。歯並びやかみ合わせ、顔のゆがみが改善した患者さんも非常に多いです。あいうべ体操と口テープのみで、6~7割の患者さんの症状が改善しています。意外だったのは、「痔が良くなった」という患者さんが多くいたことです。鼻呼吸は副交感神経を優位にする効果があり、腸の動きをスムーズにしますし、前述したように血流が良くなることで痔が改善したのかもしれません。

児童のインフルエンザがゼロに

 あいうべ体操の講演を行ったり、マスコミなどに取り上げられたりしたことで、多くの学校や施設であいうべ体操を実践してくださっているようです。福岡市立福浜小学校では、全校を挙げた取り組みにより、2年間にわたって児童のインフルエンザ罹患数がゼロになったそうです。また、北海道にある100名以上の入居者がいる高齢者施設、芦別慈恵園でも同様の効果があったようです。それ以外にも多くの学校や施設であいうべ体操を取り入れてくださっていると聞いています。

 これらの例だけでも鼻呼吸によってウイルスの侵入を防御していることがお分かりいただけると思います。鼻呼吸にすれば風邪を引きにくくなります。特に高齢者は風邪から重篤な合併症を引き起こしかねません。あいうべ体操で口周りの筋肉を鍛えれば、高齢者によくある誤嚥や嚥下障害も改善されるわけですから、一石二鳥といえます。

 あいうべ体操は無料で、誰でも簡単に始められます。副作用もありません。症状が改善すれば儲けものという感じで始めてもらえればいいと思います。

今井一彰(いまいかずあき)
内科医・東洋医学会漢方専門医。1995年山口大学医学部卒業。みらいクリニック院長で、慢性炎症コントロール・予防学会の代表理事も務める。息育、口呼吸問題の第一人者として全国で講演。『口の体操 あいうべ 新装版』(ブティック社)など多数の著作がある。

週刊新潮 2026年6月18日号掲載

特別読物「万病の元『口呼吸』を改善 『あいうべ体操』の驚くべき効果」より

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