東大ですら39位…「世界大学ランキング」で日本勢の順位が低いのには理由があった 中国勢の「論文水増し」だけじゃない歪んだ実態とは

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「とにかく論文数を稼ぐ」

 こうした“歪み”にさえ目をつぶれば、世界大学ランキングは信頼に足る指標なのかと問われると、それも「ノー」である。なぜなら、近年、世界大学ランキングのスコアアップを意図した不正が世界中で蔓延しているからだ。

 その最たる事例は、サウジアラビアの大学が行った前代未聞の「所属ロンダリング」のスキャンダルだろう。

 これは、同国のキング・アブドゥルアズィーズ大学などが、世界各国の優秀な研究者に対し、日本円にして1000万円規模の高額な報酬を支払い、彼らの「主な所属先」を同大学に変更するよう働きかけていたもの。実際に中国(12名)とスペイン(11名)の研究者がこれに応じたことで、彼らの研究実績が、サウジアラビアの大学のものとなり、スコアアップに大きく貢献したという報告がスペインの研究コンサルティング会社により発表されている。

 ランキングの「ハック」はこれにとどまらない。最近は中国の大学が大変な勢いでランキング上位を席巻しつつあるが、この裏にもグレーな手法が横行している。

 実は中国は、国を挙げて大学のランキングを上げようと取り組んでいる。論文数や被引用数が研究者の昇進や報奨金などに直結するようになっているため、「とにかく論文数を稼ぐ」という力学が働きやすいのだ。武漢大学の研究者が中国の大学100校について調査した研究(https://www.emerald.com/ajim/article-abstract/69/5/486/51471)によると、大学は研究者の論文発表に対し、掲載誌のランクに応じて最大数千万円の報奨金を出していることが明らかになった。

 これにより蔓延しているのが、一つの研究結果を細切れにして論文数を稼ぐ「サラミスライス」という手法や、業者が論文捏造・代筆を行う「ペーパーミル(論文工場)」の利用だ。

 これらは本来、研究者にとっては「ご法度」のはずだが、中国の学術現場では、目先の巨額報酬や昇進という「実利」が勝ってしまっているのが実情だろう。

〈中国の大学の“論文撤回事例”や、ランキングハックのための「コンサル」の実態、そして学術評価から“本当の順位”を算出した「新・世界大学ランキング」などについて、新潮QUEで詳報している〉

デイリー新潮編集部

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