「国民の理解望む」と述べられた天皇陛下の真意とは…皇室典範改正案を「入念に吟味されたからこそでは」との声
「コメントは差し控える」
木原稔官房長官は今月12日の定例記者会見で、淡々とこう述べた。これは皇族数の確保に向けた国会議論に関して、天皇陛下が「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と述べられたことについて問われ、答えたもの。全国紙の政治部記者は「ポーカーフェイスの木原長官は、表情を推し量りにくいタイプなのですが、この話は広げられたくないのかな、と感じました」と振り返る。今国会での皇室典範改正を目指す政府として、触れられたくない国会議論の“核心”があるとすれば、それはなんなのだろうか。
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会見での発言内容は事前に準備
天皇陛下はその前日の11日、オランダ、ベルギー両国への訪問を前に、記者会見に臨まれた。この中で記者団から国会で進められてきた皇族数確保の議論の受け止めを問われ、「国民の皆さんの理解」に言及された。会見では宮内庁に常駐している宮内記者会から3問の代表質問が行われ、在日外国報道協会も2問を代表質問。その後、それまでのやり取りを踏まえた関連質問が2問なされた。
全国紙の宮内庁担当記者が語る。
「陛下のご回答は、宮内記者会の3問目に対するものでした。記者会の質問は慣例で、事前に内容を陛下側にお伝えしてあります。つまり陛下が事前に用意されたお答えだということです」
ではなぜ、天皇陛下は敢えて「国民の理解」に触れられたのだろうか。その疑問を考察する前に、国会での議論をおさらいする。そもそものスタートは、上皇陛下の生前退位を可能にした皇室典範特例法が2017年に国会で成立した際、安定的に皇位継承が行えるよう、女性宮家を創設するなどの具体策を検討するよう求める注文(附帯決議)がなされたことだ。
このため、検討課題を絞り込むことを目的とした有識者会議が21年3月に立ち上げられ、同12月にまとめられた最終報告書で、(1)女性皇族が結婚後も皇族のままでいられる案(2)旧宮家の男系男子を養子に迎える案――の2案が示された。だがコロナ禍の中、23年5月に新型コロナウイルスが「5類」(国内では一般感染症に相当)へと移行し、同時に世界保健機関(WHO)が「緊急事態宣言の終了」を発表するまで、議論は手つかずのままとなっていた。
ようやくコロナが沈静化に向かったことを受け、それまでの状況を打破するため、23年10月に衆院議長に就任した額賀福志郎前議長が旗振り役を買って出る。与野党の意見を取りまとめるため、24年5月には「安定的な皇位継承に関する全体会議」の第1回会合が開かれ、その後、論議が行われてきた。
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