「国民の理解望む」と述べられた天皇陛下の真意とは…皇室典範改正案を「入念に吟味されたからこそでは」との声
女性皇族については早期に合意
ただ、女性皇族が婚姻後も皇室に残ることはおおむね合意をみていたが、その家族を皇族として認めるか否かと、旧宮家の養子については議論が平行線。しかし年始の解散総選挙で自民党が圧勝したことで大きく風向きが変わり、新たに就任した森英介衆院議長の下で今国会、ようやく与野党の歩み寄りが実現した。
その結果、最大の争点となった女性皇族の家族については“棚上げ”しつつ、女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、旧皇族の男系男子を養子に迎える案を「いずれも了とする」ことで今月10日に「立法府の総意」がまとまった。天皇陛下の記者会見では、これを受けた質問があり、陛下は「国民の理解」が必要と、敢えて発言されたというわけだ。
木原長官は、冒頭に紹介した定例会見で「今は法案骨子の作成に注力したい」と述べ、皇室典範改正案を今国会中に提出する政府の方針を改めて示している。「天皇陛下の回答は“即席”ではなく、入念に吟味されたもの」。宮内庁OBはこう指摘する。
「秋篠宮さまは一昨年の誕生日会見で、女性皇族が結婚後も皇室に残る案について『該当する皇族は生身の人間』として、佳子さまなど女性皇族自身が『どういう考えを持っているか』の重要性を問題提起されていましたが、陛下は愛子さまも関係する事案について、愛子さまご本人の意志については何も触れられませんでした」
としたうえで、こう推測する。
「ですが、国民の理解の重要性には言及されたわけです。これはすなわち、養子案について、国民の同意が得られているのかどうか、懸念を示されたということではないでしょうか」
旧宮家からの養子案については、確かにこれまでも識者から疑問の声が上がっていた。その多くが「国民の理解」が得られるか否かというものだ。最終報告書を出した有識者会議と、生前退位に関する有識者会議の双方から意見を求められていた、皇室史の権威で京都産業大学名誉教授の所功氏は、一般国民として生まれ育った旧宮家の出身者が、皇族となることに国民的な合意が得られるかを疑問視する意見(日本経済新聞6月9日付朝刊)を述べている。
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