「借金12億円」に「パンツ事件」…「中村玉緒さん」死去 自ら語っていた夫「勝新太郎」秘話

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男として初めて意識した

 玉緒さんは人間国宝にも認定された上方歌舞伎の重鎮、2代目中村鴈治郎(1902~1983)の長女として生まれたお嬢様だった。ちなみに、兄の4代目坂田藤十郎(1931~2020)も人間国宝で、その妻は女優で政治家の扇千景(1933~2023)だ。

 彼女と結婚する勝は、長唄三味線の名人・杵屋勝東治(1909~1996)の次男として生まれた。兄の若山と共に長唄を修行していたが、アメリカ巡業中にジェームズ・ディーンを紹介されたことで俳優になることを決意したといわれる。

《2人は大映に所属する同士の“社内結婚”でした。(中略)初めて主人と共演したのは(昭和30年の)「カンカン虫は唄う」ですが、やっぱりすごくイケメンさんでした。大映の二枚目には長谷川一夫先生も市川雷蔵さんもいらっしゃいましたけど、長谷川先生は親戚で、市川さんは兄の親友でしたから、男の人として初めて意識したのは勝新太郎でした》

 のちに大映を背負って立つ二枚看板、“カツライス”と呼ばれることになる勝と雷蔵だが、この前年の映画「花の白虎隊」で揃ってデビューしていた。もっとも、歌舞伎界から鳴り物入りでやってきた雷蔵は主役、勝は脇役だった。その差はなかなか埋まらなかったが、「不知火検校」(1960年)で悪漢を演じたことで評価は一変する。また、この作品で玉緒さんとの共演が2人を結びつけたと言われてきたのだが……。

マネージャーを通して告白

《「不知火検校」での共演が愛の芽生えだったというんですが、森一生監督は撮影が早いので、喋る間もなかった。ところが、知らないうちに向こうも好いてくださっていたみたいで、私が20歳ぐらいだったある日。主人はクラブとかでみんなで飲むのが好きで、私も呼ばれて、そのまま主人の嵐山の家にみんなでなだれ込みました。そこは私が後に嫁ぐ家ですが、2階のホームバーにいたら、マネージャーさんから下に呼ばれて「勝さんが好きなんです。玉緒さん、どうですか」と言われましてね。私も「好きです」と答えました》

 もっとも、玉緒さんには不安もあったという。

《ただ、そのころ主人は(中略)ある女優さんと噂があったんです。芸者さんと同棲しているみたいな噂もあって、それも祇園の一流の方だって聞いていたから、私を好いていないと頭から思っていました。だからびっくりして、すぐオーケーしちゃったんです》

 それから1週間ほど経って、再び勝のマネージャーから呼ばれる。

《「実は結婚というか、正式にお付き合いしたいので、勝さんが、成駒屋の玉緒さんのお父さんに会いたいと言っているんです」と。主人は父に会いに行ってくれたんです。私は前もって「お父ちゃん、勝さんが“結婚”と言わはったとき、(了承の)返事してって」と言うたのに、父は“花嫁の父”になってしまって、あまりよい返事をしなかったみたいですね。私、父に怒ったことがありました》

 だが、2人の交際は「週刊明星」にすっぱ抜かれたという。

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