浜辺美波、竹内結子、小松菜奈、黒木華、有村架純…憂鬱な空の向こうに何かが見える「雨が印象的な映画」5選【梅雨の映画案内】

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亡くなった妻が雨の日に戻る

〇「いま、会いにゆきます」(2004年)

「雨の季節に戻って来る」。そう自作の絵本に書き遺して亡くなった妻。やがて梅雨がやってきたある日、夫と6歳の息子の前にその妻が現れた。

 森や湖に絶え間なく降る雨や白い霧。雨の匂いが感じられるほど美しい情景だ。そんな日にかつて家族で遊びに行った廃工場を、父(中村獅童)と息子の佑司は訪れた。巧は妻・澪(竹内結子)と過ごした日々を思い出すように目を閉じる。佑司が「ママ!」と呼ぶ声に目を開けると、そこには雨に濡れそぼった妻がいた。

 しかし、妻は全ての記憶を失っていたのだ。もし亡くなった大切な人が突如現れたら、どう思うだろうか。おそらく驚きのあまり動揺することだろう。しかし、ひたすら降る雨がそんな感情を覆うのか、巧も佑司も再会した喜びでいっぱいだ。

 やがて澪は自分が亡くなっていて、残された時間が少ないことを知る。佑司に料理や洗濯を教えたり、12年分の誕生日ケーキを予約するのだ。佑司は雨の季節が終わらないように、てるてる坊主を逆さに吊るす。しかし6週間後、梅雨が明けると澪は消えてしまった。まるで雨とともに訪れ、雨とともに去る紫陽花のように。

 しかし、物語はこれで終わらない。なぜ澪は「雨の季節になったら戻ってくる」と書き遺したのか。そしてタイトルのもう一つの意味が解き明かされる。梅雨は早く終わってほしいと誰もが願うだろう。しかし、大切な人といられるのならずっと降り続けることを祈るに違いない。

雨の日に始まる28歳差の恋

〇「恋は雨上がりのように」(2018年)

 高校2年の女生徒が、45歳でバツイチのファミレス店長に真剣に恋をする物語。高校2年生の橘あきら(小松菜奈)は、陸上競技でアキレス腱を負傷。夢を断念し希望を失っていたある雨の日、訪れたファミレスで、近藤店長(大泉洋)にアルバイトで雇ってもらう。やがてあきらは、28歳も年上の近藤に密かに恋心を抱くのだ。そして思いを募らせついに告白する。その日も雨が降っていた。

 出場した100メートル競技で、あきらが11秒44で優勝するシーンがある。現在の高校生記録は2012年に作られた11秒43なので、あきらの記録がいかに凄いかがわかる。この大きな挫折から立ち直るきっかけが、近藤店長だ。

 小松が演じるあきらのとてもクールなキャラクターがいい。一見怒っているとしか思えない表情で近藤をじっと見つめる。近藤は嫌われていると思い、たじろいでしまう。しかしこれがあきらの愛情表現なのだ。近藤も小説家を目指していたが、思うようにいかない人生に悩んでいた。しかし、あきらの出現は、自分自身を見つめ直すきっかけになっていく。

 全編雨の描写が多い作品だ。近藤店長が「橘さんはいつも雨の日に突然現れるね」と言うシーンや、あきらが「店長はいつも、雨の日の私を助けてくれるんですね」と、雨がふたりの気持ちを伝える大事なモチーフして使われている。28歳差の恋物語というちょっと危ない設定ともいえるが、長く続いた雨が上がったような晴れやかな作品だ。

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