「鬼畜の所業は死刑相当」だが…ついに論告求刑「旭川女子高生殺害」内田梨瑚被告の“極刑に立ちはだかる壁”を元特捜部副部長が指摘
謝罪はパフォーマンス?
他にも服を脱がせ、橋の欄干に座らせた理由を「死ぬ気がないのに『死にたい』と言うのをやめさせたかった」と説明した。だが内田被告たちは女子高生に「落ちろ」、「死ねや」などの暴言を100回以上も繰り返していたことが裁判で明らかになっている。
若狭弁護士は「私は内田被告が遺族側代理人の質問に対し、『もし被害者が誰かを連れてきたりしていれば、話がまとまったりしたと思います』と答えたことに注目しています」と言う。
「6月4日の公判での発言です。この日、内田被告は午前中に『被害者を傷つけ苦しませ、これからの人生を奪ってしまい申し訳ございません』と涙ながらに謝罪しました。ところが午後になると『話がまとまったりしたと思います』と、まるで被害者に落ち度があるかのような発言をしたのです。午前中の謝罪だけなら『本当に反省しているようだ』と裁判員や裁判官が受け止めたかもしれません。ところが午後の発言で『ひょっとすると、あの謝罪や涙は減刑目的のパフォーマンスだったのではないか』と裁判員や裁判官が疑っても仕方ないように思います」
死刑求刑に立ちはだかる“壁”
殺人罪の法定刑は「死刑、無期拘禁刑、または5年以上の有期拘禁刑」と刑法に定められている。死刑を求める世論が目立つのは冒頭で触れた通りだ。
「日本の司法では永山基準などを元に『被害者が3人以上で死刑判決』という量刑相場が形成されました。とはいえ、被害者が1人でも死刑の判決が下った判例は存在します。そして今回の事件は、一般的な殺人事件とは比較にならないほど凶悪な犯行であることは言うまでもありません。中でも被害者は全ての服を脱がされ、冷たい川の中に落とされ、ご遺体は1カ月もの間、冷たい水の中に放置されました。こんなことが許されていいはずがないでしょう」(同・若狭弁護士)
もし本当に内田被告が「自殺した」と思ったのなら、警察に通報することもできたはずだ。しかし内田被告は沈黙を続けた。どう考えても発覚を恐れたと疑わざるを得ない。実際、小西受刑者は内田被告に「警察に何を聞かれても黙秘しろ」と口止めされたと証言している。
「ご遺族は内田被告からの手紙の受け取りを拒否したとのことですが、被害者の無念を考えれば当然でしょう。判決文に『鬼畜の所業』という表現が使われることがあります。今回の事件の凶悪性や悪質性は人間のやったこととは思えないほどです。確かに死刑が求刑されてもおかしくはありません。ただし、ここで壁となるのが小西証言以外に『内田被告が女子高生を橋から落とした』という決定的な証拠が存在しないことです。これでは、やはり検察は死刑ではなく無期拘禁刑を求刑するのではないかと考えます」(同・若狭弁護士)
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