「紅白で俺は福山に勝った」西田敏行と福山雅治が「紅白歌合戦」をめぐる闘い 目撃された2大スターの意外な一面

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 近年、元気がないと言われるテレビですが、その面白さに再注目してほしいと声をあげているのが脚本家の三谷幸喜さんと時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さん。1960年代初めに生まれた2人は、テレビ黄金時代の熱波を全身に浴びて育ち、仕事にまでしてしまった「元祖テレビっ子」。マニアックな番組の思い出や俳優の小ネタをショートメールで頻繁にやり取りし、その知識を共有する間柄です。

 2人が偏愛する番組と実人生への影響を熱く語り合った対談集『もうひとつ、いいですか?』(新潮社)では、大河ドラマ、海外ドラマ、刑事探偵ドラマ、ホームドラマ、追悼・西田敏行さん、1973年の6つのテーマに沿って、お宝エピソードを惜しみなく披露。

 今回は「追悼・西田敏行さん編」から、三谷幸喜さんがスター2人の論争を目撃した体験を語るパートをご紹介します。(以下、同書より抜粋・再構成)。

 ***

三谷 西田さんは志村けんさんとコントをやったこともあって、これも面白かった。車掌さんとお客さんのコントを延々とやっていらした。志村さんは、西田さんや柄本明さんといった新劇出身の俳優さんが好きなんですよね。みんな達者だから。

ペリー 若いころの爆笑問題とコントをやったときも圧巻でしたよ。西田さんは爆問さん二人の上司役で、部下たちが上司の引っ越しの手伝いに来たという設定だけが決まっていて、あとは全部アドリブ。これが当たり前ですが、すっごくうまいんですよ。太田さんがどんなムチャをやっても、それを受けてちゃんとツッコむし、二人のボケを全部拾ってくる。とにかく目配りがきいているんです。

三谷 それは多分、新劇の基本である「エチュード」で鍛えられているからでしょう。役の人物になりきったうえで、見て、聞いて、リアクションをする。その訓練を重ねていらしたからだと思います。だから、役から離れたアドリブは絶対にやらない。そこは大事なところです。たとえばアドリブ中に足をぶつけたり、誰かに殴られたときにアドリブで「本当に痛い!」と言って「本当に」の部分で笑いを取る人がいるんです。つまり、これは芝居じゃなくて本当に痛いんだって急に素(す)の部分が出るので、お客さんは笑うけど、それはルール違反。だって役じゃなくて本人が言ってるんだもん。でも、西田さんはそういうことは絶対になさらない方でした。

ペリー 本当にそうですね。だからこそ、素の西田さんってどんな感じだったんだろうって思います。今回、各局でたくさんの追悼ニュースが流れましたが、どの映像にも常に極上のエンターテイナーとして振るまう姿が収められていた。余計に西田さんの素顔が気になってしまいました。

三谷 実際にお会いしても、テレビで観るのとそんなに変わらない方というイメージ。よほど親しい人の前でないと素顔を見せなかったのかもしれません。

ペリー あ、あと西田さんといえば歌もすばらしくて。

三谷 お上手ですよね。そういえば僕と西田さんと福山雅治さんは同じスポーツジムに通っていたんですが、たまたま僕が行ったときにお二人が競い合っていたことがありました。

ペリー 何について?

三谷 『紅白歌合戦』について。

ペリー 紅白なら、お二人とも出場したことがありますよね。ここで「出演」じゃなく、「出場」と言うのが紅白のスペシャル感。

三谷 西田さんは歌手として「出場」しただけじゃなく、司会も審査員もやったことがあるんだそうです。

ペリー なるほど。福山さん、司会はやっていないですよね。

三谷 やっていないと思います。

ペリー 待てよ、西田さんは「応援」にも出ていた気がする。そうなると西田さんは『紅白』の全てを知る男ということに……。

三谷 そう。それで西田さんは福山さんに勝ったと誇らしげにおっしゃってました。

ペリー なんとハイレベルな闘い! ちなみに三谷さんは2003年、11年、21年と審査員を務められましたよね。西田さんに追い付くためには、今後、歌と司会と応援で出場すれば……。

三谷 頑張ります。

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。