「100人斬りで、その8割は有名女優」…没後15年「長門裕之」はなぜ、妻「南田洋子」を献身介護したのか 大反響「老老介護」の裏にあった“負い目”

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実名エピソード

 だが、『洋子へ』の凄いところは、そんな際どい話が実名を挙げて語られているところだ。たとえば、元女優Aとの、こんなエピソード……。

《いま東京に来ているんだけど、ぜひ会って話したいの。新橋第一ホテルのロビーで待っているわ》

 そんな電話を受け、ホテルの部屋を訪ねた長門。愛し合った後、

《ベッドから起きあがって身づくろいをしながら、彼女の口から思いもかけない言葉が飛びだした。淡々とした口調だった。/「あのう、......、私、結婚するの。そう、結婚することにしたの」/「…………」/「だから、あなたとのことは、これっきりにしてほしいの」》

CM7本を降板

 テレビドラマで長門とよく夫婦役で共演した女優Bを、長門は“女房公認の恋人”と呼んで、こんな風に紹介する。

《洋子と一緒にいる時間よりも彼女といるほうが長い時期があったからね。惚れっぽいぼくとしては、たちまちゾッコン。ある時期はずいぶん燃えあがって、ふたりでよく外泊したものだ。家へ帰るのがイヤだと思うときがあったくらいだった》《ロケ先のホテルでは、ぼくの下着を洗濯までしてくれるんだよね》

「この本が出た時の芸能界の衝撃は凄かったですよ」

 芸能レポーターの須藤甚一郎氏が振り返る。

「長門夫妻は一緒にフジ『ミュージックフェア』の司会を務め、冠婚葬祭にも常に2人揃って登場した“おしどり夫婦”。その長門さんが、あんな暴露本を出したわけですから。当時はワイドショー全盛期で朝昼晩で10番組がありましたが、それが一斉に取り上げました。特に、Bさんが“なんで私があんな人のパンツを洗わなきゃなんないのよ!”と激怒していたのが印象的でしたね」

“訴訟も辞さず”という関係者の猛抗議に驚いた長門は、際どい内容は出版社が“捏造した”などと苦しい弁明を重ねる。そして、記者会見で“こんなバカバカしい本は買わないでいただきたい”と、自著を投げ捨てるパフォーマンスまで見せたのだった。Aは“昔のこと”と笑って済ませたが、“事実無根”と主張するBに対しては、長門は新聞に謝罪広告を掲載する羽目に。2カ月後、問題部分を書き換えた改訂版が出版され、騒動は一応収まったが……夫妻は出演番組と7本のCMをすべて降板することになる。

 ***

 何ともすさまじい騒動だが、長門さんが妻に抱いていた「負い目」はこれだけではない。【後編】では、南田さんが苦労した、義父・沢村国太郎のシモの世話も含めた壮絶介護と、夫婦のその後について詳述する。

デイリー新潮編集部

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