「山口百恵さんのお尻を触った理由は…」 黒柳徹子が明かす久米宏さんの素顔 『ザ・ベストテン』突然の降板の裏側は?

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秒単位の時間調整

 77年と78年の「輝く!日本レコード大賞」(TBS系)の司会を久米さんと担当したんですが、あまりに「ザ・ベストテン」の順位と違ったので、「この番組、もう出ないようにしようと思います」と言ったんです。久米さんも同じことを考えていたみたいで、「分かりました」と。

 ベストテンでもう一つ決めていたのは、どんな若い出演者に対しても敬語を使うことです。若いとはいえベストテンにランキングされる曲を歌ったり、演奏したりする方ばかりですから、敬意を持って接しようと思いました。それにも久米さんは同意してくださいました。

 中継が多いのも番組の特徴でしたね。しかも中継場所はこれまでにない所が多く、ドキドキすることばかりでした。

 例えば新幹線が静岡駅に停車中の数分間で松田聖子さんに「チェリーブラッサム」を歌っていただいたときは歌い終わらず、発車後に車内で続きを歌う、なんていうことも。ドアのガラス窓から、去っていく聖子さんを見送りました。追っかけマンのアナウンサーはプラットフォームです。ほかにも、沢田研二さんには広島駅のもみじまんじゅう屋さんの前で「サムライ」を歌ってもらったり、山の中のバス停の前で歌を披露した人もいたり。

 どこで中継するかを事前に明かしてしまうと、ファンのみなさんが押しかけて危険になるので秘密でした。それでも人が集まってしまうこともあって、「みなさん押さないで。もしここで事故が起きたら来週からベストテンは放送できなくなります」って、久米さんと声をからして叫んだりしました。いま思い出しても事故がなかったのは奇跡です。

 私は話したいことを勝手に口にするタイプなので、生番組の進行が遅れてしまう。そこを久米さんが秒単位の時間調整までうまくやってくださっていました。

 久米さんになぜそれができるのか尋ねると、「ラジオの中継で鍛えられましたからね」と言っていました。ラジオ番組でストップウォッチをにらんで、残り何秒に収めるなんてことをやってきたから、「慣れっこなんです」って。

山口百恵を「家庭的」と思った理由

 それにしても「ザ・ベストテン」のVTRを見ると、二人とも信じられない速さでしゃべっていますね。しかも二人の声がカブらないんです。一方がしゃべっているときは、もう一方はちゃんと黙っている。技術もあるんですが、これも久米さんと私のテンポや感覚が合っていたからでしょうね。

 でも、ゆったりできた回もありました。中継が多くて、山口百恵さんしかスタジオにいなかったその日、おリンゴの皮をポットに入れて作った紅茶を三人で飲みながら、のんびり放送したんです。そのとき百恵さんがポツリと、「こういうのいいですね」。

 その言い方で、この方は家庭的な人なんだなと思いました。百恵さんが引退する、少し前のことです。

〈「ザ・ベストテン」の、もう一つの見どころは、黒柳さんと久米さんが織りなす当意即妙の“トーク力”だった。〉

 私のヘアスタイルを“タマネギ”と最初に呼んだのは久米さんです。番組が始まってさほどたたない頃、冒頭のフリートークのとき、いきなり久米さんが、

「ね、タマネギおばさん」

 と言ったんです。思わず笑っちゃいました。私もタマネギみたいだなと感じたので。ああいうことをズケズケ言うから、私たちは仲が悪いんだろうと感じた人もいたくらいでした。

 そういえば私も一度、わざと久米さんに向かって、

「そうでしょ? 小島一慶さん」

 と言ったことがあります。

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