「愛子天皇」を実現させるべきではない“根本的な理由” 「世論調査」の結果で「皇位継承」を論じる危険性を、憲法学者が語る

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先人たちの血の滲むような努力

――では、逆に、女系天皇はなぜ問題なのでしょうか。

 上記で述べたような「皇室の伝統」、すなわち、皇室の正統性の根拠を否定するものであるからです。逆に言えば、女系天皇が生まれれば、その天皇は、古来の統一性、継続性に疑義が呈されることになります。

 そのことの重要性がわかっているがゆえに、歴史を見ても、先人たちは、男系の伝統を守り伝えるために、血の滲むような努力をしてきました。

 そもそも、皇位は常に直系で継承されてきたわけではありません。8代以上にわたって直系継承されたのは、現在の天皇陛下に繋がる系統も含めて3度だけです。それ以外は、兄弟間、甥から叔父、離れた親戚などさまざまな形で継承してきました。

 さらに、皇位継承が危機に陥った時は、系譜を大きく遡って傍系の皇族によって皇位が継承されてきました。男系の皇統断絶の危機は主なものでも過去に4回ありましたが、それぞれ、10親等、8親等、8親等、7親等と遠く離れた傍系の男系男子によって継承が行われました。こうした先人たちの血の滲むような努力により、皇統断絶の危機を回避することでできました。

 今に生きる私たちには、まずこの世界にも例のないかけがえのない伝統を大切に受け継ぎ、それを後世にしっかりと伝えていく重大な責務があります。先人たちによって長い間伝えられてきた伝統というものに対して私たちはもっともっと謙虚であるべきです。その重みに耳を傾けるべきであり、逆に現代人の価値観を無条件に優先すべきというのは、歴史に対して余りにも傲慢な態度と言えるのではないでしょうか。

後編】では、愛子天皇、すなわち女性天皇がなぜ問題をはらむのかについて詳述している。

デイリー新潮編集部

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