銀行も会員制も「貸金庫」で相次ぐ“事件”…美術品コレクターが貴重な作品ほど「自宅に置く」ことを選ぶ“納得の理由”とは

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「自宅に置くよりも安心!」「貴重な品物を安全に保管します」――万全なセキュリティを謳い、利用者を獲得してきた貸金庫。近年、その存在意義が問われる事件が相次いでいる。

 2024年、大手メガバンクの行員が、貸金庫に預けられていた総額17~18億円相当の金品を着服していたことが発覚した。そして、4月27日には民間の貸金庫から4~5億円の現金が盗まれるという窃盗事件も発生した。

 そんななか、香川県高松市に拠点をおく地銀の百十四銀行が、県内15店舗の貸金庫の廃止を決めたと報じられた。今年5月29日で新規受付を取りやめ、2027年3月31日を最後に、サービスを停止するという。理由は新規契約者数の減少などを挙げているが、貸金庫に対する信頼が揺らいでいることも背景にありそうだ。

 貸金庫に預けていても盗まれてしまうのでは、治安の悪化が叫ばれる中、資産家や富裕層が「いったい何を信じればいいのか」と不安になっても仕方ないだろう。すでに、貸金庫に預けていたものを自宅に移動させる富裕層も出てきているという。【取材・文=宮原多可志】

貸金庫とはどんなサービス?

 貸金庫という言葉を聞いたことはあっても、利用したことがある人は少ないかもしれない。簡単に言えば、金品などの財産や思い出の品物など、大事なものを金庫で預かってもらえるサービスである。営業時間内であれば品物の出し入れは自由で、自宅の金庫よりもセキュリティが万全で、安全、安心である、というのがウリだ。

 主に銀行が行っているイメージがあるが、民間の貸金庫も存在する。銀行と民間の違いは、大きくは事前審査の有無にある。銀行の貸金庫は、サービスを利用する本店もしくは支店に口座があり、一定額の預金があることなどが契約の条件とされる。民間はそうした縛りがなく、比較的少ない手続きでスムーズに契約ができるメリットがある。

 貸金庫の使用料は“年間”1万円から5万円台まであり、なかには10万円近いものもある。サイズや地域によって異なるものの、思ったよりも手頃な金額から契約できるため、卒業アルバムなどの記念品を入れている人もいるそうだ。銀行の貸金庫の場合は、利用料が口座から引き落とされる仕組みになっている。

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