銀行も会員制も「貸金庫」で相次ぐ“事件”…美術品コレクターが貴重な作品ほど「自宅に置く」ことを選ぶ“納得の理由”とは

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貸金庫の信頼を回復できるか

 B氏が貸金庫の問題として指摘するのは、利用中にたびたび疑心暗鬼になったことだという。しばらく利用していないと、何を預けたか忘れてしまうことがある。万が一、保管していた物がなくなっているように思った場合は、今までなら「預けていたと思ったけれど、別の場所に置いているかもしれないな」などと考えたそうだ。

 ところが、着服事件があってからは「行員が盗んだのかもしれない」と考えてしまうようになったという。もちろん、適宜預けたもののリストを作ればいいのだが、信用第一の貸金庫で、中に預けたものが盗まれるなど今までは考えられなかった。わざわざリストを作る人など、どれだけいるだろうか。

 貸金庫は、東日本大震災などの災害の頻発や、自宅に置いていた金品が闇バイトで集められた集団に奪われる事件が相次いだことで注目された。しかし、結局「家のほうが安全」という結論になってしまうのは悲しいことだ。

 少なくとも、行員の着服事件、そして今回の窃盗事件で貸金庫の信用は著しく毀損されてしまったと言っていい。信用の回復と、万全の防犯体制の構築に努めてほしいものである。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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