「尖閣諸島は中国領」とAIが答えるように… 中国の偽ニュースサイトの狙いは「他国のAIに偽情報を“事実”と認識させること」

国際 中国

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【全2回(前編/後編)の後編】

 世界では今SNSを駆使した「情報戦争」が激化している。目下、日本に対し攻勢を強める国といえば、かの厄介な隣人である。高市政権は新法成立で対抗策を模索するが、敵もさるもの。情報工作に長けた彼らは、あの手この手で日本人を惑わそうと企んでいるのだ。

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 前編では、中国の「情報工作部隊」の規模や、偽情報の見分け方などについて、専門家に解説してもらった。

 中国は遅くとも2010年代から、ネットを使った情報工作を仕掛けていたという。

「SNSを通じた情報操作がいつから熾烈(しれつ)化したか、時期を特定するのは容易ではありませんが、少なくとも3年前の福島原発での処理水放出を巡っては、“核汚染水だ”などの悪意ある情報が相次ぎました。“ホットボタンを押す”と呼ばれる手法ですが、影響工作では世論が割れる“女性天皇”“夫婦別姓”“女性の人権”など、一見中国と無関係になるテーマでも、日本社会を分断できる話であれば利用価値があるという発想です」(国際政治や影響工作に詳しい一橋大学大学院法学研究科教授の市原麻衣子氏)

 まさに先の衆院選でも高市氏が言及した「国論を二分する政策」が、中国は大好物のようである。

 キヤノングローバル戦略研究所上席研究員兼中国研究センター長の峯村健司氏が解説する。

「よく誤解されるのは、中国は決して自国に都合の良い情報ばかりを流そうとしているわけではないことです。もちろん“高市は軍国主義者”といった発信は当たり前のようにしていますが、最も多いのは国論を二分する話題に影響を与える投稿です。夫婦別姓問題は日本の中でも世論が割れ、自民党内にもさまざまな意見があります。そうした論点を利用して、SNS上で賛成派の国会議員を名指しで“ふざけるな”と批判する投稿をしたり、逆に支持してみせたりとあおる。つまりは、世論を分断できれば何でもいいわけです」

「マークしていたアカウントの大半が中国発とみられるものだった」

 選挙期間中は盛んに夫婦別姓の話題がSNS上で語られていたが、

「選挙が終わった途端、ほとんど話題にならなくなった点に鑑みれば、非常に違和感のある動きでした。怪しいアカウントは開示請求するようにして情報源を探っていますが、一時期『X』で発信源を表示する機能が導入された際には、マークしていたアカウントの大半が中国発とみられるものでした」(峯村氏)

 国会審議中の「皇室典範」改正問題についても、中国が横やりを入れた形跡が確認されている。

 元内閣官房国家安全保障局参事官補佐で、笹川平和財団上席フェローの大澤淳氏に聞くと、

「フェイスブックで『日本の魅力』という名前のアカウントがあって、やたらと愛子さまを持ち上げて、秋篠宮家をおとしめる内容を投稿しています。このアカウントを分析すると、発信元が香港であることが分かりました。さらにアカウント名が途中で何度も変わるなど、不自然な動きを繰り返しています。男系男子で皇統を続けていくか、女性天皇を認めるのか、宮家を増やすのかがテーマなだけに、皇位継承の安定と皇室に対する国民の総意が崩れると、天皇制そのものが危うくなってしまいます」

 国家の安定に直結する事象が、影響工作の対象になりやすいというのだ。

「中国に狙われやすいのは、やはり歴史問題でしょう。ここ3年くらいの傾向として、沖縄の独立をあおる日本語での発信が、SNS上でも頻繁に見られるようになりました。中国からの発信か確定できていませんが、日本人の感覚からすれば思い付かない投稿も多い。“沖縄の主権が簒奪された”“琉球独立”といった言葉を交えた投稿があるのですが、こういった発想は中国の研究機関が公に言い始めたことなのです」(同)

 そうした投稿が、翻っては“米軍基地に沖縄の人は虐げられている”“米軍は迷惑”などといった投稿と結び付き、日米安保を疑問視する方向へと世論を導く。これで利を得るのは中国に他ならない。

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