人妻がやたらとグイグイ頼ってくる 不在がちな夫の代わりに息子の家庭教師、棚の修理まで…45歳男性を待っていた“おあずけ”より辛い仕打ち
元妻のその後
瑛美子さんはその後、再婚した彼との間に男の子をもうけた。それを機に小学校中学年になった娘がときどき信克さんのところにやって来るようになった。瑛美子さんも夫も、娘を気遣ってはいたのだが、娘としてはどこかいづらさがあったのだろう。
「そういう気持ちがよくわかるので、僕は必死で娘と向き合いました。自分の至らなさや弱さも娘に晒した。娘はいろいろ複雑な大人の気持ちもわかる子でした。もとはといえば僕が悪いのだから、瑛美子や夫を責める気など毛頭ない。中学生になると、娘はときどき泊まりに来るようになった。自分が家庭にいづらいからということではなく、実は僕のことを心配して来ていたみたいです。いつの間にか、娘のほうが大人になっていたのかもしれません」
さすがに高校生になると娘は落ち着いて、自分の家で生活するようになった。それでも信克さんとはときどき会い、それとなく「おいしいもの食べさせて」とねだる。娘に嫌われなかったことが彼にとっては最大の救いであり幸福だった。
初恋の人が、人妻になって目の前に
2年ほど前、彼は職場で青果をセールスしていたのだが、「信ちゃん?」と声をかけてきた女性がいた。「私よ、ゆかり」と相手は言った。
「幼なじみというか、小さいころ近所に住んでいたゆかりちゃんだったんです。でも彼女は小学校中学年くらいで引っ越してしまった。僕は顔も覚えていなかったけど、彼女のほうは名札と顔でわかった、と。『面影あるもん』と笑っていました」
結婚して14年、ようやくこの近所に家を買って家族で越してきたのよとゆかりさんは言った。幸せそうだった。
「休憩、ある? お茶でもしようよと言われて。彼女の近況を聞きました。僕は言えるようなことはないから、ひとり者だよと言うしかなかった」
帰宅してから当時のことを思い出していった。彼にとっての初恋の人がゆかりさんだったことも。今の彼女は当時とはもちろん違っているが、じゅうぶんに素敵な女性になっていた。
「そういえば幼いころから美少女と近所では言われていたんだったとか、母が『あんなに小さいのに妙な色気があるわね、あの子は』と言っていたことなども思い出した。大人になっても色気は消えていませんでしたね」
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