値段に関係なく喜ばれるものとは? 古市憲寿氏が語る「本当に喜ばれるプレゼント」のコツ

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 一時期はなんにでも「ハラスメント」をつける造語が蔓延していたが、今後は「インフレ」もそんな存在になるのだろうか。「友人(フレンド)」と「インフレーション」を合体させた「フレフレ(フレンドフレーション)」なる海外発の造語が広まっている、と伝えたのはABEMA TIMES(4月17日)。物価高で出費がかさむ中、友人づきあいに関する出費も増えてしまい、結果として友人を精査・損切りすることで交際費を抑えようとする心理、行動のことを指すのだという。

 たしかにさほど仲良くない人、これ以上親しくなりたくない人に遣うお金はコスパが良くないかもしれない。誰と行こうとカフェに行けば1000円前後はお金がかかる。内心、もったいないなあと思うのも当然だろう。

 一方で、本当に親しい人、これから親しくなっていきたい人について、あまりお金のことばかり気にして接していると、間違ったメッセージを送ることにもなりかねない。誘いを断ってばかりいたら、「距離を置きたいんだな」と思われるリスクが高くなる。

 もっとも、当然ながらお金を遣えば他人と親しくなれるわけではないし、それで近寄って来るような人と親しくなりたいという人は稀有だろう。
 
 作家・社会学者の古市憲寿氏は、新著『コミュ力不要の社交術』の中で、社交のコツとして、「ちょっとしたプレゼント」の効能を説いている。そして、渡す際の「ちょっとした手間」ひとつで相手の受け止め方は大きく変わる、と。

 たとえ安いものでも、その「ちょっとした」コツを知っているかどうかで、喜ばれ方や印象は変わって来ると言うのだ。

 プレゼントは高価なほうが喜ばれる――そんな思い込みがある方は、耳を傾けてみてはいかがだろうか(以下、『コミュ力不要の社交術』より抜粋・再構成しました)。

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プレゼントは何でもない日に贈ろう

 ありがたいことに誕生日パーティなどでプレゼントをいただくことがあります。

 ただそういう時に困るのは、手紙も名刺も入れてくれない人。せっかくのプレゼントが、誰からのものかわからなくなってしまうんです。

 誰かにプレゼントをあげるなら、たった一言でいいので手紙をつけたほうが絶対にいいです。

 場合によっては、もらったものよりも、手紙に書かれた言葉を覚えているくらいです。

 特にプレゼントをたくさんもらうような立場の人って、何をあげても「これ知っている」みたいなことが多いと思います。だからこそ、メッセージが決定的に大事です。普段のお礼でもいいし、プレゼントしたものにまつわるストーリーや用途でも構いません。

 あとプレゼントに関して思うのは、何でもない日にちょっとしたものを贈るほうが印象に残りやすいということ。

 偉い人や人気者の場合、誕生日近辺はプレゼントが集中しますよね。「もらって当たり前の日」にもらったものは、相当インパクトがないと記憶に残りません。

 だけど、何でもない日にプレゼントをもらったら「何で?」ってなりますよね。

 たまたま会った人から、「あなたに合いそうなものを見つけたから」と言ってささやかな贈り物をもらえたら、「普段から自分のことを考えてくれたのかな」と思えて嬉しくなるものです。

年賀状よりクリスマスカード

 僕は年賀状を全く送りません。SNSがなかった時代には近況報告の貴重なツールだったと思いますが、いつでも知り合いに連絡を取れる時代に年賀状を送る意味がわかりません。

 だけど実は、クリスマスカードを送ることはあります。それは、年賀状と違って埋もれることが少ないから。

 この時代でも、年賀状を送る人は結構いますよね。だからせっかく年賀状を書いても、何十枚や何百枚の中の一枚になってしまうことが多いと思います。

 だけどクリスマスカードを送る人はあまりいない。SNSでつながっているような人には送りませんが、ちょっとしたお礼を伝えたい時は、クリスマスカードを書くようにしています。

 プレゼントと同じで、何でもない日に手紙を送っていいと思います。

「あなたのことを思い出したので手紙を書きました」と言われて、嫌な気持ちになる人はあまりいない気がします。

 ちょっとズラすって大事かなと思うんです。たとえば出産祝いなら、生後3ヶ月とか4ヶ月とかの、子どもが泣いて大変だろうなという時期に、赤ちゃんではなく母親向けに、プレゼントを贈ったりします。その時、一番大変なのはお母さんでしょうから。

そのお土産、本当にいる?

 地方の仕事へ行った時にお土産をもらうことがあります。

 ある県へ行った時のことです。講演会でした。帰ろうとした時、渡されたのは大きな花束。一般的に、プレゼントとして花束は悪いチョイスではありません。だけど僕は今から、飛行機に乗って東京に帰るんです。

 このまま東京まで花束を抱えて移動しろということでしょうか。中島健人くんなら飛行機の中で花束を抱えていてもいいでしょうけど、普通の人には難易度が高い。

 この前は、「お荷物ですが」といってお米をもらいました。「本当にお荷物ですね」と返事をしそうになってぐっとこらえました。

 いや、お米自体は嬉しいんです。僕は自炊をしませんが、実家や友人にあげたら喜ばれるようなブランド米でした。

 だけど僕は今から東京へ帰るところ。何時間もお米を担いでいくのは大変です。

 繰り返しますが、花束やお米が悪いわけではありません。お土産を渡す時に大事なのは「相手の事情」を考えることです。

 プレゼントの基本は、「自分が渡したいもの」ではなく「相手が欲しそうなもの」を探すことです。

 まずはざっくりとでいいので、相手のプロフィールを把握するのがいいですよね。その人は一人暮らしか。家族がいるか。料理をしそうか。何が好きそうか。

 たとえば一人暮らしの人が賞味期限の短いお菓子を大量にもらっても困りますよね(ちなみに僕は大量に甘いものを摂取するので大丈夫です)。

 プレゼントや手土産も一つの情報なので、「相手が知らないもの」を贈るのもいい方法だと思います。プレゼントは「モノ」ではなく「情報」を贈る行為でもあります。「これ、こういう由来があるらしいですよ」という、何か語れるストーリーがあれば、値段に関係なく喜ばれます。

 また、もし遠方の人にお土産を渡す場合、ひとこと「よかったらお送りしましょうか」と聞いてあげると親切だと思います。

「大丈夫です」と言われるかも知れないし、お願いされるかも知れない。配送になった場合、ただ物を送るのではなく、メッセージカードをつけると印象がぐっと変わります。決まり切った文章ではなく、ひとことでいいので直筆にするのがオススメです。

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 そんな「気遣い」よりは「高いもの」が嬉しい、というタイプの人とは基本的に距離を置いたほうがいいのは言うまでもあるまい。

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