日本の芸能人の死を偲んで「お葬式」 “親日イラン人”の心をつかんだ意外なMade in Japan

国際

  • ブックマーク

 当事者のアメリカ、イスラエル、そしてイランのみならず世界経済に暗い影を落とすイラン情勢。ところで、日頃ニュースではよく耳にしても、イランになじみがある日本人はそう多くないだろう。国際社会の命運を握るかの国を“親日国家”という視点から分析する。

 ***

視聴率90%超えを記録した日本ドラマ

 意外にも恋愛に情熱的なイラン人(一つ前の記事【キスしたり“その先”まで進む若者も… 在日イラン人女性が証言するイスラム体制下の「恋愛」のリアル】を参照)が、イラン・イラク戦争中の1980年代、情熱的に観賞していたのがNHK連続テレビ小説「おしん」である。

「イランの国営放送で『おしん』が放映されていた夜8時ごろには、道路を歩いている人なんていませんでしたね」

 そう振り返るのは、東京・高円寺でペルシャ料理店を営む在日イラン人男性のボルボルさん。

「みんな家やカフェのテレビにかじりついて見ていましたよ。おしんの“何があってもあきらめないで頑張る”姿が、戦争中だったイラン人たちの心に響いたのだと思います」(同)

 30代の在日イラン人女性のサラさん(仮名)も、こう後を継ぐ。

「戦争中だったから、夫が戦場に行ってしまった女性がたくさんいました。おしんのように、我慢して我慢して頑張りたいと思う女性が多かったのではないでしょうか」

 実際、視聴率は90%を超えることもあったという。

 それだけではない。

「黒澤明監督の『赤ひげ』や『七人の侍』をイランで見ました。かっこいい映画でしたね。『おしん』や黒澤映画のイメージがあったから、外国に行くなら日本がいいなと思っていたんです」(ボルボルさん)

街中では許されないコスプレを日本大使館で

 また“日本びいき”はこんなところにも。

「私はイラン・イラク戦争で従軍したことがありますが、軍用車はみんなトヨタのランドクルーザーでした。砂漠でも砂利道でもパンクしたのを見たことがないくらい優れた車でした。イラン人は“メイド・イン・ジャパン”と書かれているものなら、中身を確認しないで買ってしまうほど日本製を信用しています」(ボルボルさん)

 サラさんもこう言う。

「回転ずしやファミレスの配膳ロボットをユーチューブで見て、“すごいテクノロジーの国だ”と日本に憧れる若い人が多いです。やっぱり家電や車、バイクなどの技術力がリスペクトされています」

 ジャパンカルチャーの代名詞であるアニメも人気。元駐イラン大使の齊藤貢氏によれば、

「私は大使館にアニメグッズなどを飾ったアニメ部屋を作りました。訪れた若いイラン人は、街中では許されないコスプレをして楽しんでくださっていました」

 しかも、イラン人の心をつかんだアニメが渋い。

「視聴率が60%だったこともあるという『キャプテン翼』や、『一休さん』を見て育ったイラン人はたくさんいます」(国際部デスク)

次ページ:みんな大好き“変なおじさん”

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。