路上の“サックス女子高生”から名門ジャズクラブ満席へ ユッコ・ミラー、出待ち&直談判の突破力

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 ピンクのヘアスタイルで、マルチに活躍するサックスプレイヤーのユッコ・ミラー。「栴檀は双葉より芳し」の例えにあるように、プロの楽器奏者は幼少時の早い段階から楽器を自らのモノにする人も多いが、ユッコとサックスの出会いは高校生になってから。だがその出会いを運命と感じ、道を自ら切り開いてきた。

(全2回の第1回)

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友達に誘われた吹奏楽部で……

 初めて習った楽器はピアノだった。3歳から始めたが、「習わされていた」感が強くて好きになれず、小学生のときに辞めた。

 中学でのクラブ活動は剣道部だったが、これも「何となく武道がかっこいいかな」と考えて選んだもの。高校に入学した当初も特にやりたいことはなく、「帰宅部」を考えていた。

「ところが友達に誘われて吹奏楽部の体験入部に行ったんです。その友達が『サックスがカッコいいから』と言うのでついていって。そこでアルトサックスを吹かせてもらい、音が出た瞬間に『出会っちゃった!』と思いました。『これが私の武器だ』とも」

 まさに「ビビビッ」と来る出会いがそこにあった。部では人数の関係で最初の1年間はソプラノサックスを吹いていたが、のちにアルトサックスの音が出た瞬間の思いは他に代え難いものがあったという。

「アルトサックスを『極めたい』と思いました。それになぜかは分かりませんが『私ならできる気がする、私イケるぞ』とも思えたんです」

 その時点でプロになるのが目標だった。毎日、午前6時には登校し、8時20分の始業まで音楽室で朝練。昼食は早弁で済ませて、昼休みもフルに使って練習した。放課後も部活で練習。そのあとは地元の三重県伊勢市で路上ライブに出かけるか、家でまた練習するか。起きている時間のほとんどをアルトサックスに捧げていた。

「田舎なのでそんなに歩いている人はいませんでしたが(苦笑)、路上ライブではジャズのスタンダードナンバーの『枯葉』や『煙が目にしみる』なんかを吹いていましたね。もともとジャズは聴いていなくて、吹奏楽部のビッグバンド編成でやるぐらいでしたが、父が2枚、ジャズのCDを持っていたので、それを聴いたのがきっかけで好きになりました。これがジャズのサックスか、って。『レフト・アローン』も好きでした」

 これらの名曲を耳コピで路上演奏すると、通りかかる人からは「いつも吹いてる女子高生」として知られるようになったという。

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